ここから本文です

石川V候補の星稜 今年のチームも魅力たっぷり、歴代に劣らぬドラマ期待

7/14(金) 11:01配信

デイリースポーツ

 第99回全国高等学校野球選手権石川大会が14日に開幕する。優勝候補の筆頭は、昨夏の代表で今春北信越大会を制した星稜だろう。今春の石川大会では、大会新記録の1試合5本塁打を記録。投手陣はプロ注目の最速149キロ右腕・清水力斗投手(3年)ら複数の投手を擁する。今夏も先輩たちのように、旋風を巻き起こす可能性を感じさせるチームだ。

 星稜は高校野球史に残る数々のドラマを残してきた。1979年夏の甲子園3回戦は、箕島(和歌山)と延長十八回の死闘を演じた。92年夏は2回戦・明徳義塾(高知)でOB・松井秀喜氏が5打席連続で敬遠されて、大きな話題となった。

 また、2014年夏の石川大会決勝・小松大谷戦では、8点差の九回に9点を奪ってサヨナラ勝ち。奇跡的な逆転劇で、全国から注目を集めた。

 今年も歴代のチームに劣らぬ魅力を秘めている。今春石川大会3回戦・小松工戦。5本塁打を放って、1試合でのチーム本塁打の大会新記録を樹立した。その後は石川大会で準優勝し、北信越大会では優勝した。

 11年の監督就任後に3度、夏の甲子園へ導いた林和成監督(41)は、これまで率いてきたチームの中で最も可能性を感じている。

 「今年で(就任して)7年目になるけれど、今までで1番、投打のバランスが取れていると思う」。指揮官が手応えを口にするだけあって、投打ともに戦力は全国レベルだ。

 野手は実力も経験も豊富。16年夏の甲子園に出場した旧チームから主力だった主将・川岸正興捕手(3年)、木倉朋輝内野手(3年)、寺西建内野手(3年)らが切れ目のない打線を形成する。

 投手陣は清水を中心に、右上手投げ・竹谷理央外野手(2年)、右下手投げ・福田隆太投手(3年)、左上手投げ・小倉一優投手(3年)ら試合を作れる投手がそろう。

 モチベーションも高い。現在の部員には先輩たちに憧れて、星稜へ進学した生徒が多い。川岸主将もその1人だ。中3だった14年夏には、九回に8点差を逆転した石川大会決勝・小松大谷戦をバックネット裏で観戦。劇的な試合に立ち会ったことが、星稜進学を決めた1つの理由だった。

 「野球はあんなことがあるんだって思った」と今も興奮を忘れていない。当時のチームの戦いぶりを見ているだけあって、今のチームにも厳しい目を向けてきた。

 「あの(14年の)チームみたいに、逆境をはね返せる力がないと全国では通用しない。僕らも高い意識を持って試合に入れるかが課題」。妥協を許さない主将の下で日々、結束力を強めている。今年6月も05年までチームを率いた山下智茂監督(72)の時代から受け継がれている伝統の「けんかノック」が行われた。

 選手が一塁、二塁と三塁、遊撃に別れて、1セット40分のノックを2セット受けた。「横に振られたりしてきついけど、全員で声を掛け合って盛り上がれた。1球に対して、同じ思いを持ってやることにつながる」と川岸主将。開幕へ向けて、心身ともに仕上がってきた。

 今夏、星稜が甲子園に出場すれば、春夏通算30度目の出場となる。初戦は17日・羽咋工戦。部員78人が一丸となり、先輩が築き上げてきた歴史に新たな1ページを刻む。(デイリースポーツ・西岡 誠)