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清宮、西東京を「早実の大会にする」 15日初戦へ意欲

7/14(金) 13:34配信

朝日新聞デジタル

 強打者の清宮幸太郎君(18)率いる早稲田実が15日、第99回全国高校野球選手権西東京大会の初戦を迎える。小学生の頃から注目され、2年前には「怪物1年生」として甲子園を沸かせた清宮君にとって「最後の夏」の挑戦が始まる。

【写真】東・西東京大会の開会式で選手宣誓する早稲田実の清宮幸太郎主将=8日午前、東京都新宿区の神宮球場、林敏行撮影

 「私たちは野球を愛しています」。8日、東・西東京大会の開会式の選手宣誓で、清宮君は野球に対する熱い思いを口にした。言葉には「人間的にも成長させてくれた野球への感謝の思い」が込められていた。

 この1年間、打球の飛距離を伸ばすことを意識し続けた。きっかけは、昨夏の西東京大会の準々決勝。九回、一打同点の場面で清宮君が振り抜いた打球は右翼へ高々と上がったものの、フェンス手前で失速。2年連続の甲子園出場はならず、「この負けが必要だったと言える野球人生を送りたい」と涙を流した。

 あと5メートル――。新チームで主将に就いた清宮君はチームの合言葉を「GO!GO!GO!」と決めた。球速5キロ、打球の飛距離5メートル、体重5キロアップの目標には、敗れた悔しさを忘れないという意味もある。清宮君も打撃フォームの改良に取り組み、スイングの速さに磨きをかけてきた。

 下級生の頃は、マイペースな言動もあり、周囲からリーダーシップを疑問視する声もあったという。しかし、「周りに気を配れるようになった。キャプテンになったのは大きかったかなと思う」と清宮君は話す。チームメートからの信頼も増した。

 2度目の甲子園となった今春の選抜大会は初戦に勝利したが、東海大福岡に敗退。2試合で3安打に終わり、本塁打もなかった。「最後のチャンスにかけて、しっかり(甲子園へ)戻ってきたい」と誓った。

 その間も、注目は高まる一方。今年の春季都大会で東京都高野連は観客の多さに対応するため、決勝の会場を神宮球場に変更し、異例のナイターで開催した。約2万人の観客の前で、清宮君は2打席連続で本塁打を放ち、チームを優勝に導いた。5月に茨城県であった関東大会でも収容人員の多い球場に会場が変わり、開場を待つ徹夜組も出た。早稲田実は各地の高野連からの招待試合が続き、多くの観客が詰めかけている。

 高校の通算本塁打は最多とされる107本まで、あと4本。注目度と比例するかのように、相手チームからのマークは厳しさを増すが、「記録とかありますけど、それは二の次という感じで、チームの成長が一番。その中で自分の成長も加わればいい」と語る。

 他校の選手を「ライバル同士ですが、同時に同じ夢を追いかける同志」と表現した8日の選手宣誓は「野球のすばらしさが伝わるよう、野球の神様に愛されるように全力で戦うことをここに誓います」と結んだ。宣誓を終えた清宮君は「今年は自分の満足する結果を出して甲子園に出場したい。今までにないくらい暴れて『早実の大会』にしたい」と意気込んだ。15日は午前9時から、ダイワハウススタジアム八王子で南平と対戦する。(辻健治)

朝日新聞社