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台湾・馬英九前総統、中国の人工島「領土でない」 南シナ海での主張否定

7/14(金) 7:55配信

産経新聞

 【台北=田中靖人】台湾の馬英九前総統は13日、台北市内で産経新聞の単独取材に応じ、昨年7月の南シナ海の領有権問題に関する仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の裁定について、台湾が紛争当事者と認められなかったことなどを理由に「手続きが非常に不公平で考え方も誤っている」と批判した。一方で、中国が南シナ海で造成する人工島について「造成は国際法に違反しないが、領土と主張できない」とクギを刺した。

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 仲裁裁は、台湾が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で実効支配するイトゥアバ(太平島)を「岩」だと認定。馬氏は台湾が審判に参加できなかったことを批判した上で、「島の定義が厳格すぎる」と内容も問題だと訴えた。馬氏は「現在の総統も私と同じ立場だ」と述べた。

 中国の人工島造成については、領土とできない上、一部が領海も設定できない低潮高地だとして、中国が「自ら批准した国連海洋法条約を順守すべきだ」と批判した。特に、ミスチーフ(美済)礁は「(面積が)2300倍にもなっており、やり過ぎだ」とクギを刺した。また、人工島での滑走路整備も「(地域の)安全に影響を及ぼしかねず、将来の運用を注視する必要がある」と述べた。

 一方、南シナ海をめぐる米中の対立については、米トランプ政権が北朝鮮問題で中国の協力を求めていることを念頭に、「北朝鮮情勢が解決するまで大きな動きはないだろう」との見通しを表明。また、米国が主張する航行・飛行の自由は「賛成する」としつつも、「米中の(地域への)影響力は15年前と異なる」と述べ、中国が東南アジア諸国連合(ASEAN)との間で法的拘束力のある「南シナ海行動規範」に合意した場合、米国も追認せざるを得なくなるとの認識を示した。その上で、南シナ海の資源は共同開発すべきだとの持論を強調した。

 政権末期に沖ノ鳥島(東京都)周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)を否定したことには「漁民を逮捕した上、服を脱がされたことで台湾の民衆が激怒した。日本はもう少し繊細なやり方をすべきだ」と述べた。

最終更新:7/14(金) 8:26
産経新聞