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<エスカレーター巻き添え>「車椅子もベビーカーも危険」

7/14(金) 20:16配信

毎日新聞

 香川県高松市内の商業施設で10日、エスカレーターで車椅子が転倒し、後ろにいた女性(76)が巻き込まれて死亡する事故があった。エスカレーターでの車椅子利用は法令で禁じられていないが、業界団体は「非常に危険」と注意を呼びかけている。

【写真】現場にはエスカレーターに車椅子やベビーカーを乗せないよう求める表示が

 香川県警によると、10日午前10時40分ごろに発生。エスカレーターは高低差約5メートル幅約1メートルで、車椅子利用を禁じる直接的な注意書きはなかった。無職男性(81)が妻(79)を乗せた車椅子を後ろから支えて3階で降りる直前、段差に前輪が引っかかり、バランスを崩したらしい。2人は車椅子ごと転げ落ち、少し後ろの女性も巻き込まれて転落。出血性ショックで死亡し、夫婦も重軽傷を負った。県警は過失致死容疑で調べている。

 夫婦は車で来店。男性が施設の車椅子を借りた。現場近くにエレベーターがあったが、男性は「何も考えずに乗ってしまった」と話しているという。

 日本エレベーター協会(東京)は「車椅子をエスカレーターに乗せるのは聞いたことがない。やめてほしい」と訴える。国土交通省も少なくともこの数年間で同様の事故は把握していないという。

 一方、香川県社会福祉協議会は、車椅子の介助手引の中でエスカレーター利用時の注意点をイラスト入りで掲載。担当者は「エレベーターのない建物もあり、安全に使う方法を示した」とするが、事故を受けて削除した。日本身体障害者団体連合会(東京)の担当者は「エレベーターを使ってほしいが、ない所でどう移動するかは難しい」と話す。

 事故が起きた商業施設の利用者からは「危険で、信じられない行為だ」との批判の声が上がる一方、ベビーカーでエスカレーターを利用することもあるという30代女性は「エレベーターまで移動するのが不便という気持ちも分かる」と話した。日本エレベーター協会はベビーカーでの利用も「絶対にしないで」と呼びかけている。【岩崎邦宏、小川和久】

最終更新:7/14(金) 22:37
毎日新聞