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【のびやかに・浜木綿子】(30)人生振り返り多くの発見に感謝

7/15(土) 15:03配信

スポーツ報知

 取材などで仕事のないとき、どんな毎日を過ごしていますか?と聞かれるときがあります。よくお話しするのですが、ウォーキングは日課ですし、夜のストレッチと柔軟体操は欠かしません。歌劇団のときから続けているので“宝塚体操”と呼んでいます。

 少し前、股関節を広げて上半身を床にベターッとくっつけると体に良い、という本が話題になっていました。そんなこと、みんな簡単にできるんじゃないの?と思っていました。違うのですね。筋肉、関節の柔らかさはケガから身を守ってくれます。1日でもサボると気持ち悪く、落ち着きません。

 また歯科に毎週通います。気分的なリフレッシュにもなりますし、自分の歯を大事にしたいので、悪くなくても見てもらいます。「食べる」ことは「生きる」こと。セリフの滑舌にも影響します。

 晩酌も好きです。長丁場の舞台を含め、仕事が始まると一滴も飲みませんが、ふだんは適度にいただきます。多いのが焼酎、最近はハイボールもいいですね。「百薬の長」といわれるのは、気持ちを和ませてくれる力もあるからでしょう。

 一番、大切なのは人との交流です。80歳を超えたからといって家にこもっていてはいけないと思っています。タクシーに乗れば、若いドライバーさんとの会話を楽しみます。香川照之は知っていても、浜木綿子を知らない人も。でも、そんなことは全く気になりません。むしろ、息子のドラマの感想などが聞けて勉強になります。

 最近は、PASMO(パスモ)などのカードを使うことにもハマっています。あれ一枚でバスや地下鉄にも乗れ、コンビニで買い物も。顔なじみの店員さんもできました。フットワーク良く、日々新鮮に。退屈している時間はありません。

 さてこれが最終回。読者の方を通じ、私自身、新しい出会いがたくさんありました。最初は30回も続けられるのか…と不安でした。でも、行く先々で記事の感想も聞けて、うれしかった。人生を集中して意識的に振り返ることは初めてで、不思議な感覚でした。

 これまで私は、ずっと演技を通してのみ、自分を知ってもらえれば十分だと考えてきました。いまも波乱万丈だったとは思いません。人生の岐路で、自分で選択したのは宝塚音楽学校を受験したときだけ。あとは無数の出会いと巡り合わせ。あらがわずに生きてきて良かったと思います。

 仕事を始めて65年。いまだ「楽しい」と感じたことは一度もありません。「役を演じる」ことは、とても苦しく、厳しいものです。でも今回のように、ゆっくり振り返ってみたとき「あのとき、私は幸せだったのかな」と思うのです。またどこかで私の姿を見たら、気軽に声を掛けてください。ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。(構成 編集委員・内野 小百美)=おわり

最終更新:7/15(土) 15:31
スポーツ報知