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【白洲信哉 旅と美】威勢いいみこしの海上渡り(乱材祭)

7/14(金) 11:20配信

産経新聞

 乱材祭(みざいまつり)は、鎌倉材木座にある五所神社の例大祭で、威勢のいいみこしの渡御(とぎょ)、中でもみこしの海上渡りが見どころになっている。というのだが、鎌倉育ちなのにちっとも知らなかった。祭りの責任者が「僕だって小町のそれには行ったことない」というように、村々にしきたりがあり、祭りがあったのである。明治の神社合祀(ごうし)により、全国的にも神社の整理が行われ、多くの産土神(うぶすながみ)が姿を消してしまったが、「五所」というのもそのまま5つの神様が合祀されたことを表している。

 3基のしんがりを務めるみこしは、烏帽子(えぼし)に白装束の氏子によって、頼朝が神宮に神領を与えた名残を感じさせる「伊勢の鳥羽から朝山まいて」で始まる天王謡という独特の寂(さ)びのある調子にのり、電線や軒を巧みにかわしながら、荒御魂(あらみたま)を清めるように進んだ。海岸に着くと、浜はウインドサーフィンにヨットが漂うのんびりした空気も一変、おはらいの後、2基のみこしは海水で清められ、すっかり和御魂(にぎみたま)になって、御生(みあ)れを果たしたようにみえた。

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【プロフィル】白洲信哉

 しらす・しんや 文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。平成25年から骨董(こっとう)・古美術の月刊誌『目の眼』編集長。

最終更新:7/14(金) 11:20
産経新聞