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ネットショッピングは不便!それ、「体験」しないで買うの?

7/14(金) 6:03配信

ホウドウキョク

VRによる買い物体験が可能となる実証実験が、様々な企業でスタートしている。VRで買い物できるようになるというのは何やら楽しそうだが、どんな利便性があるだろう?

今回は、おもにシステム工学やバーチャルリアリティの研究を行う、東京大学大学院 情報理工学系研究科・廣瀬通孝教授に話を聞いた。

1989年からVRは注目されていた システムキッチンのショールームで利用

ここ数年でVRが注目され始めた、と思いきや、廣瀬教授いわく「『バーチャルリアリティ』という言葉は1989年に登場した」とのこと。

「日本で先駆けてVRによるデモンストレーションを行ったのは、松下電工(現・パナソニック)です。システムキッチンの売り場でバーチャル体験ができるというものでした。システムキッチンは、この商品とこの商品を組み合わせるとか、高さはこれくらいでこの幅はいらないとか、チューニングを繰り返すもの。その度に、該当の商品を持ってくるのは大変なので、VRを使ったシステムをショールームに設置したのです」(廣瀬教授、以下同)

しかし、「当時の技術では、圧倒的に表現力不足でした」と廣瀬教授はいう。例えば、水道の蛇口をCGで表現するにしても、つまみ部分はただの丸、蛇口から流れる水も水色の棒が落ちるだけといったように、記号的な映像だけだったそう。今では、当時の映画に使われていたくらいのクオリティの光景が、VRの世界で再現できるようになった。

「例えば飛行機という機械が世の中に普及する歴史を考えてみましょう。まずは、どういう機械を作れば空を飛べるかを考えなければなりません。しかもそれが飛んだとしても、その機械にすぐに乗ろうと考える人はそれほど多くはないでしょう。飛行機のメーカーはまず技術者を育成し、研究のコミュニティができるまで数十年を費やしています。それはVRも然り。第1期(89年)から30年ぐらい経ちますが、それは人材育成の時期ともいえるのです」

つまり、今のVRブームは、当時の若手研究員たちが育ち始めた成果ということ。また、良質なものが安く作れるようになったことも一因だ。

「現在、HMD(ヘッドマウントディスプレイ…VRを体験する機器のこと)は数万円程度で購入でき、画質もハイビジョンクラス。89年頃にもHMDはありましたが、300万円くらいするのに分解能は100×150程度。粗すぎて文字はぼやっとしていました」

当時は、映像の供給も難航を極めていた。3DCGでのモデリング作業など、相当なプログラミング作業が必要だったが、今では全天周カメラで360度の空間映像をコンピュータに入れるだけ。とても楽に再現出来るようになったというわけだ。

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最終更新:7/14(金) 6:03
ホウドウキョク