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「必ず戻ってくる」命守った校舎再開を 朝倉市の松末小 豪雨の爪痕は今も生々しく

7/14(金) 9:42配信

西日本新聞

 九州豪雨で近くの川が氾濫し、校舎が浸水した福岡県朝倉市松末(ますえ)地区の松末小(塚本成光校長)。同校の教師たちが被災後から続けてきた片付け作業が13日、一段落した。泥をかき分けて、学校の印鑑や避難した子どもたちが残したランドセルなどを一つ一つ運び出した。校舎や校庭には土砂が堆積し、学校再開のめどは立たない。それでも教師たちは「必ず戻ってくる」と決意を新たにしている。

【動画】もの凄い勢いで濁流が道路にまで流れこむ様子(JA田川彦山出張所付近)

 豪雨が襲った5日、同校には児童11人を含む地元住民ら約50人が避難。職員室などがある1階や体育館に濁水やがれきが流れ込み、避難者は3階に上がって一夜を過ごした。翌6日、児童たちは徒歩で安全な場所まで移動し避難所へ。6日朝には全児童27人の無事が確認された。学校は休校を経て、夏休みに入っている。

 教師たちは持ち出せる書類などの片付け作業を7日から始め、13日は市内の小学教師らも協力。トイレ掃除などにも汗を流した。職員室には泥が1メートル近く積もるなど、豪雨の爪痕は今も生々しい。校庭の一角。1、2年生が育てたというミニトマトが被災を免れた菜園で実をつけていた。一人の教師が「奇跡のトマト。せっかくだからみんなで食べましょう」と呼び掛け、参加した教師たちはその味をかみしめた。

 応援に駆け付けた同市の小学校長は「想像を超える被害で言葉も出ないが、できることをやるしかない。朝倉は一つ。これからも協力していきたい」と話した。

 松末小は、朝倉市杷木地域の3小学校と統廃合されることが決まっており、来年3月で閉校となる。作業の最後、正面玄関に掲げられた学校の木製表札を持ち出すかどうか議論になり、結局残すことにした。塚本校長は「学校がどうなるか分からないが、松末小は来年3月まで松末に残るという意味を込めた。27人で最後まで過ごしたい」。

=2017/07/14付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:7/14(金) 9:42
西日本新聞