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「濁流で蛇行消えた」変わり果てた集落、方策めぐり揺れる住民 福岡県朝倉市

7/14(金) 11:44配信

西日本新聞

 記録的な豪雨で、福岡県朝倉市杷木林田や同市杷木星丸を流れる赤谷川の河道が変わった。上流から押し寄せた大量の流木や土砂が橋脚に堆積して流れがせき止められ、直線的な新たな流れが発生した。全てを除去して元の川の流れを取り戻すのか、それとも新たな流れとともに生きるのか-。変わり果てた集落の再生の方策について、住民の胸中は揺れている。

【画像】パイプが濁流で折れ、温泉水が激しく噴き上げた

 杷木林田の東林田集落。かつて田畑が広がり、民家が点在していた一帯に、黄土色の水がほぼ真っすぐ流れる。長さ約300メートル、幅約50メートル。「景色が一変した」。集落で暮らす林清一さん(69)はつぶやいた。林さん宅は公民館近くの高台にあり、被災を免れた。

 赤谷川の川幅は最大約15メートル、深さ約20センチで、集落の間を流れる穏やかな川だった。だが、5日夕の豪雨で、流木や土砂が流れ込み、公民館近くの橋脚がせき止めた。蛇行部分に堆積した土砂は深さ6~7メートルに達し、さらに上流側の蛇行部分から直線的な流れができた。住民が、かつての流れの上を行き交う。

 林さんは幼少の頃、祖父に「昔はこう、(豪雨後の新しい流れの通りに)川があった」と聞いたという。地元では、明治22(1889)年に発生した洪水以前の流路に戻った、との話が聞かれる。「蛇行をなくした流れの方が安全なのでは」と林さん。行政に提案するという。

 約1・5キロ上流の同市杷木星丸でも蛇行部分で川が氾濫し、直線的な流れが両岸の田畑や民家にまで広がった。10メートルほどだった川幅は最大約100メートルに。自宅が流された岩下恒弘さん(82)は「地形が変わった。将来を考えれば元の姿に戻すより、今の川の流れを優先させた方がいい」と話した。

=2017/07/14付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:7/14(金) 12:05
西日本新聞