ここから本文です

【16-17シーズン総括#1】群雄割拠のプレミア 明暗を分けたのはマネジメント力

7/14(金) 12:01配信

theWORLD(ザ・ワールド)

チェルシーの王者奪還 最大の味方はスケジュール

レスター・シティがおとぎ話の主人公を演じた2015-2016シーズンに比べると、16-17シーズンのプレミアリーグはドラマ性を欠いていた。1位から20位まで、基本的にはタレント力に従って並んだといっても差し支えなく、いい意味で下馬評を覆したチームはボーンマスだけだ。

2月の段階で降格の危機に震えていたが、3月以降を5勝5分2敗で乗り切り、最終的にはトップ10に入った。タレント力では最下層ながら、ボールを保持した際は複数のトライアングルを創り、コレクティブなスタイルを築き上げたエディ・ハウ監督の采配は、各方面で絶賛されている。降格に至ったサンダーランドとミドルズブラはボーンマスを見習い、ベンチワークを見直すべきだ。前者を率いていたのはノンポリシーのデイビッド・モイーズ。後者は守るだけのアイトール・カランカ。ともに解雇されて当然だ。

ただ、同じ降格の憂き目に遭ったハル・シティは別問題である。彼らは監督交代のタイミングを誤った。マルコ・シウバ就任後の18試合は攻守の約束事が著しく明確になっただけに、もう1ヶ月早く新体制が発足していたら、残留していた公算が大きい。監督人事につきものの明暗だ。

さて、ビッグ6の優勝争いに終始した16-17シーズンだが、各チームの成否を分けた要因のひとつに、スケジュールの違いが挙げられる。優勝したチェルシーは欧州カップ戦出場資格がなく、基本的に週1試合で闘えたことが大きなアドバンテージだった。試合総数は47。ヨーロッパリーグを制したマンチェスター・ユナイテッドより17試合も少なかったため、シーズンの大詰めでも最低限のフィットネスだけは維持できていた。

つまり、ミッドウィークのヨーロッパで心身ともに消耗するライバルを尻目に、チェルシーにはスタミナの回復と戦術の徹底を図れる時間があった。4バックを3バックに変えたアントニオ・コンテ監督の決断も然ることながら、週末のプレミアリーグでもインテンシティが落ちず、スプリントを繰り返せる選手が多かった背景には、スケジュールの違いがある。

2位に入ったトッテナムも同様だ。チャンピオンズリーグで早々に敗れ去ると、マウリシオ・ポチェッティーノ監督はUELを重視せず、2月初旬にはシーズンの目標をプレミアリーグに切り替えている。そしてハイライン・ハイプレスを有効活用するべく、ローテーションを多用。極力、選手のスタミナロスを抑える工夫も凝らしていた。その結果、一時はチェルシーに4ポイント差まで迫り、「シーズンを通じた試合内容ではプレミアリーグ随一」と、メディアの高評価を得るまでに至っている。

1/3ページ