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パンクロック創成期から北朝鮮映画特集まで、自由すぎる編成の定額VOD“VICE PLUS”がライブイベントを開催!

7/14(金) 20:00配信

ぴあ映画生活

自由奔放なデジタルメディアとして世界中から熱い支持を得ているVICEの日本法人VICE Japanが母体となっている定額制映像配信サービスVICE PLUS。今年の2月からサービスを開始し、NetflixやAmazonプライムビデオ、Huluといった先行組とはまったく別ベクトルの作品チョイスで気を吐いているが、現在力を注いでいるのがパンクロックの創成期を記録し続けた伝説の映像集団TARGET VIDEOの再評価と、「北朝鮮映画特集」というブッ飛んだもの。一体VICE PLUSは前人未踏のどんな境地を目指しているのだろうか?

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「単純に自分たちが惹かれるエクストリーム(強烈)なものを取り上げていきたい」と語るのはVICEエディターの小林英樹氏。TARGET VIDEOについては「80年代に輸入レコード屋に置いてあったヤバいパンクバンドのVHSビデオレーベル」と認識していたという。「ところが彼らはレーベルというより映像を使ったアーティスト集団で、最初に撮影したのがセックス・ピストルズのサンフランシスコ公演。奇しくも彼らの解散ライブになったそうです。それ以降、彼らはパンクバンドと一緒に映像作品を作り、ライブツアーのように上映して回っていました。VICE PLUSでは彼らの秘蔵作品を配信するだけでなく、当時の活動も日本で再現します!」

VICE PLUSではTARGET VIDEOの創始者ジョー・リース(71歳)を日本に招聘。7月19日に名古屋HUCK FINN、7月20日に渋谷WWWで「Target Video 77 Presents STAND-UP & SCREAM!」なるイベントを開催。ジョー・リース自身が新たに編集したパンクムービーをライブハウスの環境で上映する。ブラック・フラッグ、デッド・ケネディーズ、ジャームス、X、ラモーンズ、イギー・ポップ、DEVOといった伝説のパンクアーティストの若き日の姿と熱量を、まるでタイムスリップしたように体感することができるはず。小林氏は「例え口うるさい先輩だと思われても、若い人に伝えていくべき文化」とTARGET VIDEOを評価する。

さらにVICE PLUSのフリーダムな活動を象徴しているのが「北朝鮮映画特集」。たまたま配信作品の買い付けの交渉に行った先で、北朝鮮が製作した映画のライブラリーがあることを知ったそうだ。『ゴジラ』のスタッフが参加し日本でも劇場公開された特撮超大作『プルガサリ ~伝説の大怪獣~』は有名だが、金正日が指揮を執ったメロドラマ『花を売る乙女』、10万人以上が参加した壮大なマスゲームのドキュメンタリー『アリラン祭』など、日本ではちゃんと紹介される機会のなかった北朝鮮映画がズラリとラインナップされている。

「配信すること自体に政治的なメッセージはありません」と語るのはセールス&マーケティング担当の新井貴夫氏。「《映画で知る国家シリーズ》という企画の第一弾と捉えています。実際、映画を通して初めて見えてくるものがありますし、作品としても興味深いものが多い」と配信を決めた理由を明かす。

金正日が大の映画ファンで映画製作に熱心だったことはよく知られており、昨年9月には金正日が韓国の映画監督を拉致した顛末を描いた衝撃のドキュメンタリー『将軍様、あなたのために映画を撮ります』が日本公開されて、興味深い北朝鮮映画の一端が明かされはした。しかしまとまった形で北朝鮮映画を観られる機会は皆無に等しく、VICE PLUSの「なんだこりゃ?と思ったものをみんなに見せたい!」というスタンスが、既存の映画配給システムではカバーできない役割を果たしてくれていることは間違いない。

さらに今後は「夏が来るから“怪談”特集をやります!」と言うのだから驚かされる。映像作家でVICE PLUSのプロデューサーも務める、さい郷通範氏によると、VICE PLUSのオリジナルコンテンツとして“怪談”を特別なシチュエーションで収録するそうで、こうなるとVICE PLUSは日本テレビがかつて夏の風物詩として放映していた「怪奇特集!!あなたの知らない世界」の役割まで果たしてしまうのかと、ただただ恐れ入るばかりだ。

既存のメディアにはない視点と行動力を売りにしてきたVICEだが、直系のVICE PLUSの飽くなき好奇心と野心がこれからどんな可能性を拓いていくのか、大いに刺激を受けながら見守っていきたい。いや、見守るよりも参加しようぜと呼びかけられているので、まずはTAGET VIDEOのライブ上映イベントへの参加をご検討されてはいかがだろうか。

取材・文 村山章

イベント「Target Video 77 Presents STAND-UP & SCREAM!」
公演日 : 7月19日(水)
会場 : 名古屋 HUCK FINN
開場/開演 : 19:00 / 20:00
前売/当日 : 1500円 / 2000円(ドリンク別) オールスタンディング
上映 : STAND-UP & SCREAM! (60min)
トーク : Joe Rees (Target Video 77)
Ticket : e+(イープラス) ※7/7(金)発売開始

公演日 : 7月20日(木)
会場 : 渋谷 WWW
開場/開演 : 19:00 / 20:00
前売/当日 : 1500円 / 2000円(ドリンク別) オールスタンディング
上映 : STAND-UP & SCREAM! (60min)
トーク : Joe Rees (Target Video 77)
Ticket : e+(イープラス) ※7/7(金)発売開始

上映作品内出演アーティスト:
BLACK FLAG、 DEAD KENNEDYS、 BAD BRAINS、 GERMS、 CRIME、 MUTANTS、 X、 FLIPPER、 SCREAMERS、 THE DILS、 RAMONES、 THE DAMNED、 THE CRAMPS、 CRUCIFIX、 TOXIC REASONS、 CIRCLE JERKS、 IGGY POP、 THE AVENGERS、 DEVO、 WEIRDS etc

※本上映作品はライブ演奏中心の映像のため、制作側の意向を尊重し、日本語字幕の挿入はしておりません。

最終更新:7/14(金) 20:00
ぴあ映画生活