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高齢化が進む静岡県営住宅原団地 セブンが“買い物弱者”救済に一役

7/15(土) 7:55配信

産経新聞

 ■移動販売車導入 待ち焦がれた客が列

 高齢化が進む県営住宅原団地(沼津市大塚)で、コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンによる移動販売が始まった。全国に41台しかない同社の移動販売車を導入し、“買い物弱者”の高齢者を支援する試みだ。初日には販売開始の30分以上前から団地に住む高齢者が行列を作るなど反響も大きく、同社では社会貢献の一環として他の地域にもサービスを拡大していく考えだ。(田中万紀)

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 ◆エレベーターなく

 昭和40~50年代に相次いで建設された県営住宅の大半にはエレベーターがなく、高齢者にとっては買い物どころか1階に降りることも一苦労だ。また、大型団地は敷地が広く、外に出るまで徒歩で10分以上かかることもある。

 県営住宅全体では、10年前には18・2%だった65歳以上の高齢者のみの世帯が、今年4月には34・6%まで増加。原団地ではさらに高齢化が進んでおり、入居513戸のうち高齢者世帯は41・3%で、高齢者の1人暮らし世帯も26・5%に上る。5階建てだが、エレベーターは19棟のうち2棟にしかなく、高齢者の大半は日々の食料品や日用品の買い出しにすら苦労する“買い物弱者”だ。

 こういった現状を踏まえて、団地自治会が昨年2月、県営住宅を管理する県住宅公社に対策を要望。セブン-イレブン・ジャパンが移動販売車の導入を提案し、1年半の時間をかけてようやく実現した。

 販売初日には、30分以上前から団地の住民が続々と集合。「セブン-イレブンの移動販売車です。おにぎりや総菜、牛乳やパンなどをご用意しています」とスピーカーから案内が流れると、待ちわびた高齢者らが先を争って車を取り囲み、お目当ての商品を買い求めていた。

 ◆アイスが食べられる

 3階に住む石井政子さん(86)は、「足が悪いので、目の前まで来てくれるのは助かります」と顔をほころばせた。アイスクリームとパン、トマトなどを買い求めた安井一子さん(78)は、「いつもは溶けてしまうので買えなかったアイスクリームを、持って帰れるのはうれしい。毎回通っちゃいそう」と声を弾ませた。原団地での移動販売は、毎週6回行われる。

 セブン-イレブン・ジャパンの担当者は「高齢者や子育て中の主婦のような、買い物に困っているお客さまに商品を届けることはコンビニの使命でもある。サービスを通じて高齢者の見守りを行うなど行政とも連携し、他の地域でも移動販売を広めていきたい」と手応えを口にしていた。

最終更新:7/15(土) 7:55
産経新聞