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インドネシア、南シナ海の一部に新名称 中国を牽制か

7/15(土) 0:07配信

朝日新聞デジタル

 インドネシア政府は14日、南シナ海に領有するナトゥナ諸島の北側を「北ナトゥナ海」と命名すると発表した。同諸島の排他的経済水域(EEZ)は、中国が領有範囲だとして一方的に主張している「9段線」と重なっており、新名称によって中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

 「北ナトゥナ海」となるのは、ナトゥナ諸島の北側に広がるインドネシアのEEZ圏の海域。この日会見した海事調整省の担当者は、「これまでは南シナ海の一部だった。ここには『北ナトゥナ区』と呼ばれる石油や天然ガスの採掘現場がある。新名称で混乱がなくなる」と説明した。

 ただ、実際には中国への警戒を強めるインドネシア政府の対抗措置の一つとみられている。9段線を根拠にして、中国公船に守られた中国漁船が同EEZ内で違法操業をする事例が、近年は目立つようになっているからだ。

 担当者は「我々のEEZの範囲は緯度経度の情報が根拠だが、9段線はそうしたデータがなく、主張は明確ではない。我が国は国際法に基づかない主張をする国とは交渉も協議もしない」と話した。

 9段線は南シナ海の大部分に広がっており、主にフィリピンとベトナムが中国との間で領有権をめぐる紛争を抱えている。常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が昨年7月、中国の主張を否定する判決を出したが、中国は判決を無視。打開策がない状態が続いている。(ジャカルタ=古谷祐伸)

朝日新聞社