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インターネットを席巻する“フリー素材美女”は何者か フリーランスのグラドル「茜さや」さんに話を聞いた

7/15(土) 11:10配信

ねとらぼ

 フリー写真素材をネット上でダウンロードできるサイト「ぱくたそ」に2016年2月に登場した美女、茜さやさん。おっとりとした表情とタヌキ顔、そしてセクシーな風貌とむちむち体形の人……といえば、ネットを毎日見ている人なら「あぁ、あの人ね」とピンとくるのではないでしょうか。

【ポッキーを口元に当てる美女】

 彼女は広島出身の24歳。ネット上では“フリー素材の人”として知られていますが、実はフリーランスのグラビアアイドルとして活動している苦労人だったりします。おっとりとした風貌からは想像もつきませんが、実際に話を聞くと「グラビア撮影と称してラブホテルに連れ込まれそうになった」「17歳で30万円ためて上京した」と語るなど、なかなかハードな人生を送ってきた様子。

 茜さやさんがフリー素材になったのは2016年2月。わずか1年でネットでは見ない日は無いほど拡散された“フリー素材美女”のバックボーンを探りつつ、フリーランスとしての苦労や、フリー素材としての実情などを聞いてみました。

●銀座の真ん中で社長とケンカして、事務所を辞めた

―― 普段はどういう仕事をされているんですか?

茜さや: もともとはグラビアを2014年からやっていて、ダーツのイメージガールをやったりしています。「ぱくたそ」さんでフリー素材を始めたのは去年の2月からです。

―― 今はフリーランスで活動していると伺いました。そもそもなぜフリーランスで活動しているんでしょうか?

茜さや: 登録していた事務所ともめたんです。銀座の真ん中で事務所の社長とその奥さんとケンカしたんですよ。その時に「潰すぞ」って脅されたんですけど、「なんで17歳で東京に出てきたのに銀座の真ん中でお父さんより年上の人とケンカしてるんだろう」って逆に冷静になってしまって、それでこんな思いはもうしたくないなと思って辞めました。その時に知り合いの弁護士にも協力してもらったりしたんですが、結構長い間もめてましたね。

―― その「潰す」っていうのは……?

茜さや: 芸能界から消すぞってことですね。正直、そんな芸能界から消されるほど世に出てなかったはずなんで、「今消されてもなぁ」みたいな感じでしたけど(笑)。そんな大きい事務所でもないし、どうせ消す力も無いだろうということで、そのまま辞めました。

―― フリーランスのグラビアアイドルって聞いたことがないのですが、他にいらっしゃったりするのでしょうか?

茜さや: 前の事務所を辞めて別の事務所に入るまでの間だけフリーで、というのはあります。でも、普通はすぐ別の事務所に入ってしまいますし、ずっとフリーで活動する人はあんまりいないですね。

―― フリーランスは何年くらいやっているんですか?

茜さや: 2014年からなので3年くらいです。グラビア自体が2014年からなので、この仕事を始めてすぐにフリーランスになった感じです。演技とかはやっていて去年は一応ヒロインとして映画にも出ました。

―― フリーランスってすごい大変なんじゃないかというイメージがありますが、実際はどうです?

茜さや: 大変ですね。最近は慣れたんですが、芸能界ってしっかりとした部分もそうじゃない部分もあるので……。やっぱり変な人が一杯いて、そこをちゃんと見ないといけないんです。はじめはいい仕事だと思っていても、現場に行ったら着エロ以上の過激な仕事だったりとか。

―― ……それは、ご自身で経験されたことですか?

茜さや: そうですね。例えばカメラも持っていないのに「宣材写真を撮るから」と言ってラブホテルの前に連れて行かれたりしました。私の場合は撮影に入る前に分かったので良かったんですけど、ついて行っちゃう子がいっぱいいるから味をしめてるんだと思うんです。私は変だと思ったらやんわり断るようにしてます。

―― 「怪しいな」と感じる基準はあります?

茜さや: メールのやりとりの時点で「あれ?」ってなるんですよね。言ってることがそれまでと違ったり、様子がおかしい人って居るじゃないですか(笑)。選別するポイントは難しいんですけど……感覚ですね、「なんかちょっとおかしいな」と思ったら本当に変なことになるので。

 昔はそういうことがあると怖くて落ち込んでたんですけど、今は「また来たぞ」と楽しめる余裕が出てきました。だから続けられるんだと思います、楽しめないと終わりなので。

―― 結構ブラックなエピソードがあるんですね……。

茜さや: 例えば、「グラビアで稼げるよ」ってすごくいい条件を提示されて、行ってみたらアダルトのライブチャットをあっせんしてるとこだった……ということもあると聞きました。中には男性との絡みがある仕事で「途中でマスクを外されて顔がバレた」というのも聞くので、怖いですね。

●DVDのギャラが「中古の洗濯機」

―― 他のグラビアアイドルの方とは交流はあったりしますか?

茜さや: 結構遊んだりしますよ。事務所を辞めたばかりでフリーランスになった子には仕事の紹介をすることもあります。やっぱりフリーランスの子には一緒に頑張って欲しいという思いもあるので、仕事も一緒にできればいいなって。

―― フリーランスでやるのと、事務所に入るのとだとどっちがいいと思いますか?

茜さや: 事務所とその子の性格にもよると思います。その子が自主的に動きたい子だったらフリーランスでも良いかもしれませんが、流されちゃうような子の場合はしっかり事務所に守ってもらったほうがいいですね。中には、守ってくれない事務所もありますが……。

―― とはいえ良い事務所もあると思うんですけど、そういう所から「ぜひウチで」と声がかかったらどうします?

茜さや: 良い事務所というのが分からないんですよね……大きい事務所でも悪いウワサは聞くので。仮にそういうウワサがない所から声がかかったとしても……入らなさそうですね。

―― フリーランスだと収入の面ではどうですか?

茜さや: 全部自分に入ってくるので、収入は絶対にフリーランスの方がいいです。ある事務所に入ってる子から「雑誌に出たらお金もらえるよね?」って聞かれたことがあったんですが、詳しく聞いたら雑誌に出たのにお金がもらえなかったって言われたりしました。多分そんなに高い金額ではないと思うんですけど、仕事したのにゼロってないじゃないですか。この子の場合「プロモーションだから」ということでゼロだったんだと思うんですけど、やっぱり事務所側からだまされてしまうこともあるし、仕事の相場も分からないんですよ。

 フリーランスの経験がある子と話していると「この仕事はこのくらい」みたいな相場が分かってくるんです。でも、事務所に入ってる子からはギャラがもらえないとか、支払いが遅れるとか聞きます。ひどいところだとDVDのギャラが中古の洗濯機とか……要らないじゃないですか、そんなの。そういう意味でも、フリーのほうが収入は多いと思います。

●フリー素材として

―― どういう経緯で「ぱくたそ」のフリー素材になったんですか? サイト上で募集はしていたようですが……。

茜さや: 共通の知り合いの方から声をかけてもらって、そのまま「良いな」ということで採用されました。

 とはいえフリー素材なので「写真の仕事が来なくなっちゃうんじゃないか」と最初は悩んでました。でも、普段の仕事はグラビアが好きな人にしか見てもらえないですけど、企業の人とかにも見てもらえるし、無料だから拡散力はすごいし、「ぱくたそ」さんのPVもすごいので、それで決めました。

―― 募集のページには写真の権利を「ぱくたそ」に譲渡する事などが書かれていますが、やはりフリーランスだからこそフリー素材になることができたという側面もあるのでしょうか?

茜さや: それは大きいかもしれない、確かに事務所に入ってると難しいと思います。事務所によって違うかもしれませんが、権利についてはきっちり決めているところが多いので。

―― 今でも撮影してるんですか?

茜さや: そうですね、最近は行政とのコラボもやっていて、直近だと雪山で撮ったスキーの画像があって、今度は温泉地で撮った浴衣姿の写真が出るんです。それも終わったらまた次の撮影が始まる感じです。

―― 初めてあった人から「ネットで見たことある」とか言われたりします?

茜さや: あー、言われますね。メイクにもよるんですけど、薄いメイクだと言われる可能性が高いです。ダーツの仕事なのかフリー素材なのか、どこで見てもらったのかは分かりませんけど、飲食店でこっちを見ながらヒソヒソ話されたりします。

―― ネットやってて自分の写真を見たりとか……。

茜さや: しますね。「クリックしたらどういうところに飛ぶんだろう」とかやっぱり気になるので。「こういうとこで使われてたよ」って友達とかお母さんからURLが送られてきたりします。

―― どの写真が好きですか?

茜さや: やっぱり一番使われているパイスラの奴です(笑)。

――想定外な写真の使い方をされたことはあります?

茜さや: これは違反になったケースですが、顔だけ私で身体が全然違うっていうことがありました。それは規約としてダメなので。

――違反になった場合ってどういう処分になるんですか?

茜さや: (「ぱくたそ」側が)連絡してくださって、削除してくれるまで対応してもらいました。

●フリー素材化のデメリットはほとんどない

――フリー素材になって良かったことはありますか?

茜さや: イベントに行った時に「あれ、フリー素材の人だよね」みたいなこともありますし、グラビア撮影のスタッフにフリー素材やってるってことを気づいてもらえたりします。あと、フリー素材を見てもらうことで「ウチの会社のアイキャッチやってください!」というお話をもらえたり……いろんな所で気づいてもらえるので、知名度はすごく上がってるみたいです。フリー素材を始めたことで、逆に仕事が増えた気がしますね。フリー素材をきっかけにして「こういうのを撮りたいからモデルになってください」とか「会社の物を持って写真を撮らせてください」とか、そういうお話をいただいたりもします。

―― 逆に嫌だったことってあります?

茜さや: うーん………嫌だったこと……(20秒ほど考え込む)。

―― ……そんなに少ないですか?

茜さや: 少ないですね……メリットだらけかもしれない。最初は仕事が減るかも、と思っていたんですがそういうこともなく。カメラマンさんもキレイに撮ってくれてすごいですし、メイクさんも完璧だし、いい写真ができるので。

―― 「ぱくたそ」さんは写真が本当にキレイですよね。写真はどういう流れで撮影されているのでしょう。

茜さや: 「こういう風に撮ります」という構成を決めて、当日はそれに沿ってバンバン撮っていくんです。写真のキレイさはフリー素材をやることを決めた理由の1つになったぐらいです。モデルの意見もすごく聞いてくれていて「コレやりたい」と言ったらやってくださるし、こちらの希望も聞いてくれます。

―― 「ぱくたそ」さんの写真の中には、一風変わった写真があったりするのですが、テーマはどういう風に決まっているのでしょう。

茜さや: あー。ナイフ持ってるやつですか?(笑)

―― それもそうですが(笑) 茜さん以外にも一風変わったものがありますよね。

茜さや: モデル側も皆がアイデアを出しあって決めているので、変なものはその段階で決まったものが撮影されているんだと思います。でも、意外と使われてたりするので面白いですよね。話題性があるネタを使ってバズらせるという狙いもありそうですけど。

―― 今後フリー素材でどういう写真が撮りたいとかあります?

茜さや: 今まで着たことがない格好がしたいですね、ナースはやったので、女医とか。

―― コスプレは好きなんですか?

茜さや: 好きです。リクエストがあって一回だけイベントで「あの花」のめんまをやったんですけど、アニメが好きなので申し訳ないんですよ。可愛すぎる子は申し訳ないからやりたくなくて、めんまも好きすぎて本当は嫌だったんです。やっぱり3次元って超えられないじゃないですか。

―― やってみたいコスプレってあるんですか?

茜さや: すーぱーそに子と『NARUTO』のヒナタがやりたいですね。すーぱーそに子はムチムチしてて自分の体形とも合ってるので。でも、機会があまりなくて……。

―― コミケや超会議でコスプレしてみたいとか、そういう思いはあります?

茜さや: やってみたいですけど、やっぱり勇気がないです。コスプレの人にはお会いしたことがないので知識もないですし。でも今度コミケでROMを売るかもしれないので、そこでコスプレの人を見たいと思ってます。

●中学生の時にうつになった

―― 実はここに来る前に、ミスiD 2017の動画を見たんですけど……。

茜さや: ヤバいやつや! 一番やばいやつ!(笑)

―― 中学生の時にうつになったとか、SMグッズの店で働いていたとか、渋谷のマックに住んでたとか……全部事実なんですよね?

茜さや: 実話です(笑)。

―― 中学校の時にうつになって、17歳で30万円貯めて上京したということだったんですが。

茜さや: 小学校の頃はテストは100点満点で学級委員、かと言って真面目すぎるわけではなくて掃除の時間に鬼ごっこをするし、スカートは短いし、髪にはビーズしていくし。いろいろ適当だけど友達から悪口を言われたことは無かったんです。

 小学校の時は100点ばっかりでナメていたのかもしれないんですけど、中学受験をしたくなって塾にいって勉強して、私立の中学校に特待生として入れたんです。でも、中学校の時に人生で初めて「あの子本当は怖い子だよ」って悪口を言われて、仲いい子は信じないんですけど、それが回っているのが精神的にキツくって。そして同じ時期に両親がケンカしていて、離婚届とかも見てしまったんです。

 学校では悪口を言われていて、家に帰ると両親がケンカしていて……。私は幸せな家庭だと思っていたんですが、両親は仲が悪いのを子どもに見せないよう隠していたんです。両親は深夜までケンカしていたんですが、私は寝れないのでケンカが終わるまで近所の公園に行ってケンカが終わるのを待っていたりしました。それでメンタルがやられて病院に行ったらうつと判断をされたんです。東京に行きたくなったのはその頃でした。

 中学校はアメのごみが落ちているだけで全校集会が開かれるような厳しい学校だったので、高校で上京のためにバイトしたら退学になっちゃう。高校はエスカレーター式で上がれたんですけど、(バイトするために)願書ギリギリの所で公立に切り替えて、バイトして30万円たまったのは高2の秋でした。それで、文化祭の時に皆の前で「東京に行きます」って宣言しました。

●17歳で上京し、SMグッズ屋で働く

―― 家族や先生から反対されませんでしたか?

茜さや: めっちゃされました。先生とはケンカして、お母さんからも「寂しい」って反対されましたね。

 東京に出てからは渋谷のSMグッズ屋で働き始めたんですが、その頃は仕事も選ぶわけにもいかず、「とにかく稼がなきゃ」という感じでした。やっぱり上京資金が30万円では少ないですから。

―― とはいえ、SMグッズ屋というのはなかなか選びづらいと思うのですが……。

茜さや: 時給が良かったので、生きられるならという感じでした。でも、言い方が難しいんですけど、「どういう人が来るんだろう」っていう興味も少しありました。居たら見られるわけなので(笑)。

―― これもすごいなと思ったのですが、渋谷のマックに住んでいたというのは?

茜さや: 私が18歳くらいで、お父さんが東京に長い間来ていた時に、浮気の証拠みたいなものを見ちゃって……。両親は中学の頃から別居状態が続いていたのですが、お父さんのことを尊敬していたのでやっぱり許せなくて。お父さんがいる家に帰るのが嫌で、昼間のバイトが終わったらバイト先でシャワーを浴びてマックに行くという生活でした。

―― なんだか話を聞いているとすごく繊細な人という印象で、フリーランスでやっているたくましいイメージとはギャップがありますね。

茜さや: 昔は繊細だったのかもしれないですね。でも、この仕事を続けるうちに強くなりました。今は何を言われても傷つかないです。

―― ミスIDの動画では「Twitterやめたい」っておっしゃってましたが。

茜さや: 吉田豪さんから「やめないで」って言われたので、今もやってます(笑)。

●好きなことで食べれるのは幸せ

―― 芸能界に入ったのは「ミスヤンチャン(ミスヤングチャンピオン)」がきっかけですよね。

茜さや: 寝れなかった時にネットでオーディションサイトを見ていたらミスヤンチャンがあったので応募しました。それまで芸能界は興味無かったんですけど、応募したらどんどん上にいけたんです。その夜にミスヤンチャンの情報を見ていなかったらやってないですし、いろいろ運が良かったというか……。

―― でも少しは自信があったのでは?

茜さや: 体形がぽっちゃりしているので、全く無かったです。グラビアは細くて胸がある人がやるべきであって、ぽっちゃりしてるとできないものだと思ってました。

 それに、本当に恥ずかしいのでプライベートではビキニなんて着ないんですよ。でもオーディションはビキニで、偉い人がいっぱいいる前で立つので「こんな体形見せられない」みたいな感じでした。でも受かったので「需要がちゃんとあるんだ」と思いました。最初は撮られるのが恥ずかしかったんですけど、やっていくうちに楽しくなっていった感じです。

―― 今後の目標はありますか?

茜さや: 知名度を上げたいです。名前を言ったら「あ~知ってるよ」くらいにはなりたい。“これに出たい”みたいなのはなくて、いただいた仕事をひたすらやっていきたいです。自分が好きなことで食べれてるっていうのは幸せなことなので。

最終更新:7/16(日) 15:08
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