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元Jリーガーの監督、躍進導く 近江高サッカー部

7/15(土) 21:20配信

京都新聞

 高校野球の強豪のイメージが強い近江高(滋賀県彦根市)が今夏、サッカー男子の滋賀県代表として全国高校総体(インターハイ)に初出場する。1、2年生だけのチームを躍進へ導いたのは2年前に赴任した元Jリーガーの前田高孝(たかのり)監督(32)=長浜市出身。全国優勝経験のある野洲高など県南部で王座を占めてきた湖国のサッカー界に風穴をあけた。「強豪校とやっと同じ土俵に立てた。インターハイでも目の前の試合を戦うだけ」と気を引き締める。
 インターハイ県予選は2年生主体で臨み、準々決勝で野洲高、準決勝で自身の母校の草津東高に競り勝った。決勝は連覇を狙う綾羽高をPK戦で破った。青年監督は「雑草のチームだが、競い合って成長してくれた」と選手をたたえる。
 小学3年でサッカーを始め、草津東高ではフォワードとして全国高校選手権に出場した。卒業後はJ1清水に入団し、湖北地域初のJリーガーとなったが、2年で退団した。その後は「海外で経験を積んで力をつけたい」とシンガポールやドイツなどでプレーし、2008年に現役を退いた。
 タイの福祉施設で孤児と交流した経験を踏まえ、帰国後は関西学院大に入り、ビジネスの手法で社会問題を考える学科を専攻。サッカー教室などで資金を集めタイでグラウンド建設に尽力した。同大学のコーチにも抜てきされ、全日本大学選手権で準優勝に導いた。
 近江高の教諭に転身したのは15年春。サッカー部の強化を目指す同高から監督就任を請われ、「一からつくり出すことに面白さを感じた」。強豪校は県南部に集まり、北部からは全国大会に出場していないことにも意欲をかき立てられた。
 赴任直後の部員は10人。「一緒に歴史をつくろう」と中学生を勧誘し、現在は1、2年生の96人を数える。県内出身者が9割で中学時代に目立った実績を残した選手はいないが、「近江ダービー」と呼ぶ部内の試合で競争して力をつけた。「大枠の戦術以外は生徒自身にプレーを考えさせる」と判断力を重視する。
 宮城県で行われるインターハイで29日、東海大星翔高(熊本県)との1回戦を迎える。過去に夏の甲子園で準優勝した野球部に負けない活躍を全国でできるか。「近江高に入って良かったと生徒に思ってもらうことが一番の目標。卒業後もサッカーで活躍してくれたらうれしい」と表情を和らげた。

最終更新:7/15(土) 21:20
京都新聞