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2度目の外遊、成果乏しく=G20で孤立露呈-米大統領〔深層探訪〕

7/15(土) 8:25配信

時事通信

 トランプ米大統領は8日、ポーランド、ドイツを歴訪する2度目の外遊を終えた。20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせたロシアのプーチン大統領との初会談でシリア停戦に合意したのが最大の外交成果だ。肝心のG20では地球温暖化対策をめぐる議論で孤立。「米国第一」を掲げるトランプ氏の国際社会のリーダーとしての能力や意志への懸念払拭(ふっしょく)には至らなかった。

岐路に立つ国際協調=強まる米への不信感

 ◇選挙介入疑惑晴れず
 ドイツ北部ハンブルクで7日行われた米ロ首脳会談では内戦下のシリア南西部での停戦に道筋をつけた。トランプ氏はシリア内戦での協力をてこに、ロシアとの関係改善を進める考えだ。「2人はすぐに気持ちが通じ合った」(ティラーソン米国務長官)といい、会談は2時間15分に及んだ。

 ただ、ロシアによる米大統領選介入疑惑について、会談に同席したティラーソン長官は「プーチン大統領は疑惑を否定した」とだけ説明。トランプ陣営がロシアと共謀したとの疑惑は晴れず、米国内では「プーチン大統領の術中にはまった」(民主党全国委員会)と批判が巻き起こっている。

 大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した北朝鮮をめぐっては、日米韓3カ国首脳会議を6日に開催し、共同声明で「最大限の圧力」で一致。国連安全保障理事会での新たな北朝鮮制裁決議採択を目指し、連携する意向を確認した。

 トランプ氏は決議採択の鍵を握る中国の習近平国家主席ともG20で会談したが、採択に向けて協力を引き出せたかは不明だ。習主席は会談で「対話を促す努力を強化すべきだ」と従来の姿勢を繰り返した。

 ◇1対19の構図
 気候変動問題をめぐるG20首脳会議の討議では、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明したトランプ氏の発言に注目が集まった。トランプ氏が離脱方針を変えることはなく、協定履行の決意を共有する米国以外の国・地域との「1対19の構図」(ドイツ誌シュピーゲル)が解けることはなかった。

 議長国ドイツのメルケル首相は締めくくりの記者会見で「(温暖化対策で)全参加者の合意が得られなかったのは非常に明白。溝を埋められなかった」と説明。首脳宣言には米国の立場だけが分けて記載され、トランプ政権の孤立感が際立った。

 米紙ワシントン・ポストは「トランプ政権下では国際会合の首脳会議が役立たずになるかもしれないという不安をかき立てた」と指摘した。一方、そうした懸念をよそにトランプ氏は会議終了後、「G20は素晴らしい成功だった」とツイートした。(ハンブルク時事)

最終更新:7/15(土) 12:58
時事通信