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<九州豪雨>名前付けるか 気象庁苦慮 建物被害基準満たず

7/15(土) 11:01配信

毎日新聞

 ◇専門家「ネット検索で支援活動に役立つ 早く命名を」

 九州北部を襲った豪雨について、気象庁は名前を付けるかどうか苦慮している。各地の被害確認が難航し、建物被害の規模が命名基準を満たしていないためだ。専門家は「災害の呼称が決まれば、インターネット検索で支援活動の情報収集にも役立つ。早く命名するのが望ましい」と指摘する。

【写真】全国から集まったボランティア

 気象庁は、災害に共通の呼称を使うことで教訓が伝えやすくなるなどの理由で、大規模災害を引き起こした自然現象に名前を付けている。豪雨の命名基準は損壊家屋が1000棟以上、浸水家屋が1万棟以上などと定めているが、人的被害は条件に含まれていない。

 今回の豪雨は、死者が32人に上り、気象庁が命名した5年前の「平成24年7月九州北部豪雨」(死者30人、行方不明者2人)と同規模に達している。ただ、福岡、大分両県の14日夜現在の住宅被害は一部損壊以上が計199棟、床上床下浸水が計464棟で、命名基準を大幅に下回っている。

 気象庁は「雨が狭い範囲に集中した。まだ梅雨が続き災害の規模が確定できず、現時点では判断できない」としている。これまでも、2013年10月にあった伊豆大島の土石流災害(死者・行方不明者39人)などは命名基準を満たさなかった。

 静岡大の牛山素行教授(災害情報学)は「語り継ぐ必要があるのは人的被害が大きな災害なのに、基準に考慮されていないのは違和感がある。再考すべきではないか」と話す。【金森崇之、飯田和樹】

最終更新:7/15(土) 14:41
毎日新聞