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劉暁波氏死去 国際社会「中国に失望」 批判広がる

7/15(土) 7:55配信

産経新聞

 ■「劉氏の妻解放を」高まる声/台湾・総統、民主化呼びかけ

 ノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏の死去を受け、追悼する動きが欧米をはじめ世界各国に広がっている。一方、国外での治療を認めなかった中国政府に対し、欧州各国から批判が相次ぎ、軟禁されている劉氏の妻、劉霞氏の解放と出国を求める声も高まっている。(台北 田中靖人、ロンドン 岡部伸、ベルリン 宮下日出男)

 香港では14日、民主派が中国政府の出先機関「香港連絡弁公室」前に献花台を設置。次々に市民が訪れ、花を手向けた。献花台付近には劉氏の写真や劉氏の妻の解放を呼びかける横断幕が掲げられた。

 主催した団体の幹部は香港メディアに「中国共産党政権には失望した。劉氏の遺志を継ぐ」と話した。この団体は15日夜に追悼行進を計画している。

 台湾では蔡英文総統が14日未明、フェイスブックに追悼文を投稿。劉氏のノーベル賞受賞メッセージ「私に敵はいない」を念頭に「劉氏に敵がいないのは、民主主義に敵がいないからだ」と中国当局に民主化を呼びかけた。台北市内の広場でも14日夜、市民団体による追悼式が行われた。

 オスロからの報道によると、ノーベル平和賞を選考するノルウェーのノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長は14日、劉氏の葬儀参列を目的に首都オスロの中国大使館を訪れ査証(ビザ)を申請したが、発給を拒否された。

 ロイター通信によると、ノーベル賞委員会は14日、劉霞氏について「全ての制限を解除するよう中国当局に呼び掛ける」として、劉霞氏の中国出国を妨害する行為は「正当化できない」と非難した。

 欧州連合(EU)のトゥスク大統領とユンケル欧州委員長は13日の共同声明で、EUが劉氏の解放などを求めてきたにもかかわらず、「中国は聞き入れなかった」と指摘。中国当局に対し、劉氏の遺族に遺体の埋葬地を選ばせた上で、「移動と通信の制限を廃し、中国を去ることを認めるよう求める」とした。

 英国のジョンソン外相は声明で、「劉氏は外国での治療を認められるべきだった」と批判した。フランスのルドリアン外相は「長期間の拘束にもかかわらず、劉氏は勇気を持って人権と言論の自由の擁護をやめなかった」と評した上で、中国当局には遺族に移動の自由を与えるよう要求。「人権は仏外交の優先事項」とし、今後も問題を提起していく姿勢を示した。

最終更新:7/15(土) 7:55
産経新聞