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日馬富士の瞬発力、逆転の大技 琴奨菊を首投げ

7/15(土) 20:21配信

朝日新聞デジタル

(15日、大相撲名古屋場所7日目)

 閃光(せんこう)一閃、逆転の大技が決まった。結び前の一番。小柄な日馬富士が俵に詰まった瞬間、放った首投げ。137キロが178キロの琴奨菊を投げ飛ばした。

【写真】日馬富士(左)はすべった足を俵にかけてこらえ、最後は首投げで琴奨菊を下した=吉本美奈子撮影

 先手は取った。張り差しから左で深くまわしを取ると、そのまま振り回すように下手投げ。崩れた相手はそのまま、土俵を割るか、と思われた。

 ところが、対戦成績でここまで勝ち越していた琴奨菊もあきらめなかった。攻めきれず、逆襲に遭う。寄られて、両足が俵にかかった時に、今度はさっきとは逆の右から投げを出した。

 素早い反応と瞬発力。小柄ながら綱を張って29場所目。スピードと勝負魂で、今の地位を守ってきた日馬富士の本領発揮だった。

 支度部屋で「ハー」と大きく息を吐いた。「(琴奨菊は)当たると燃える相手だよね。最初に土俵に詰めたときに勝ったと思って、一回力を抜いちゃった」

 実は十両時代の2004年秋場所14日目、初めて琴奨菊に勝ったのも、同じ首投げだった。「覚えているよ。あの時は十両優勝したんだ」と笑顔で話した。

 元横綱北勝海の八角理事長が言った。「やっぱり勝負に対する執着心があるから、あの体でここまでやれている。集中している」

 2連敗から5連勝。昨年を含め、8度の優勝のうち、3度勝っている名古屋は日馬富士にとってゲンのいい場所だ。「お客さんが喜ぶ相撲を見せたい」。33歳の横綱が乗ってきた。(竹園隆浩)

朝日新聞社