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経財諮問会議、予算議論に着手 「30年度実質成長率は1.4%」

7/15(土) 7:55配信

産経新聞

 ■2%遠く抜本対策が急務

 政府は14日の経済財政諮問会議で、平成30年度予算編成に向けた議論に着手した。この日示した経済見通しは、30年度の実質国内総生産(GDP)成長率が前年度比1・4%程度、29年度は1・5%程度。個人消費の回復などを背景に成長軌道が続くとの判断だが、政府が掲げる「名目GDP600兆円」達成に必要な「2%成長」には達せず、成長力の抜本的強化が急務となる。

 安倍晋三首相は概算要求基準の策定に関し、教育といった「人材投資」や中小企業、サービス業の生産性向上などへ予算を優先配分するため「特別枠」を設けるよう指示した。政府は18日の次回会合で、基準策定に向けた基本方針を示す。

 首相がこうした指示を出したのは、少子高齢化を背景に経済の実力を示す「潜在成長率」が0・8%程度で低迷し、成長の足かせになっていることへの危機感がある。

 政府が今回初めて示した30年度の実質成長率の見通しは、民間エコノミスト42人の予測平均(1・1%)を大きく上回った。成長を牽引(けんいん)するのは内需の回復で、個人消費が1・1%増と29年度の0・9%増から増加率が拡大する見通し。輸出の好調などを追い風に企業の設備投資も3・6%増と29年度と同じ高い伸び率に達するとみられる。

 実質GDPだけでなく、名目GDPの成長率も2・5%程度と、エコノミストの予測平均(1・7%)を大きく超える見通しだ。

 ただ、こうした「やや楽観的」(市場関係者)な見通しであっても、安倍政権が32年を目指す名目GDP600兆円達成に必要な「実質2%、名目3%」の成長率には届かない。

 成長力を高めるのに必要なのは「労働」「資本」「生産性」の3要素だ。だが、少子高齢化は労働力人口を下押しし、資本を増やす設備投資は限界がある。鍵となるのは「生産性の向上」(石原伸晃経済再生担当相)だ。

 安倍政権は次の「アジェンダ(重要政策)」に人材投資を掲げており「時間がかかるが、(育った人材が)活躍する場が出てくると生産が効率化し、長い目でGDPを押し上げる」(石原氏)と期待される。

 国内企業の99%以上を占める中小企業の生産性向上も、日本経済全体の底上げを左右する。中小企業の非製造業では、従業員1人が年間に生み出す付加価値額は27年度が558万円と、21年度比の増加率がわずか7%にとどまっており、若手に事業を承継して技術革新を進めるといった対策が急務となっている。

 歳出圧力の高まりも予想される中、予算編成では、成長力向上へ役立つ施策への「選択と集中」が求められる。(山口暢彦)

最終更新:7/15(土) 8:16
産経新聞