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<トルコ>解雇・停職の教員ら15万人 クーデター失敗1年

7/15(土) 19:44配信

毎日新聞

 【イスタンブール高橋宗男】昨年7月にトルコ軍の一部が企てたクーデターが失敗してから15日で1年。「テロに関与した」などとして解雇・停職となった教員や公務員らは15万人以上に上るとされ、「不当解雇」と反発する声も出始めている。

 「8カ月がたつのに、まだ信じられない」。国立イスタンブール大学工学部の准教授だったサワシ・カラブルットさん(38)は、非常事態宣言下で内閣が決定した昨年10月29日付の政令により解雇された。テロや国の安全への脅威となる活動に従事したとされた。解雇者リストは239ページに及んでいた。

 1997年にイスタンブール大に入学し、地震学を専攻した。2013年から准教授。研究一本やりだった。テロなど身に覚えもないが、07年に助手ら研究スタッフの身分を保障するための組合結成に関わった。一緒に活動していた教員らも解雇されており、「結局、反体制的とみられたのだろう」と言う。

 不当な扱いを裁判に訴えようとしたが、「訴える資格はない」と言われた。「国から『テロリスト』扱いされては、どこにも雇ってもらえない。今の望みは、復職して研究生活に戻ることだけ」と話す。

 徹底した取り締まりにより政権への批判は封じ込められてきたが、それでも抗議の声は表に出始めている。

 14日夕、イスタンブール・カドゥキョイ地区。約1000人の市民が「ハンガーストライキ128日目」などと書かれたプラカードを手に行進した。解雇に抗議してハンガーストライキを始め、逮捕された大学教授のヌーリエ・ギュルメンさんと小学校教諭のセミヒ・ウズアクチャさんへの支持を訴えるデモ行進だ。警察が周囲を警戒する中、「あなたたちは2人だけじゃない」と叫ぶ声が響いた。

 イスタンブールの街角で週に4回、2人への支援を呼びかけるソンギュル・トゥンチデミルさん(46)も今年2月7日付の政令で解雇された中学校の美術教諭だ。「何も悪いことをしたわけじゃない」。組合活動ぐらいしか思い当たる節はないがパスポートは無効となり、健康保険も停止された。「一日も早く非常事態宣言を撤廃してほしい」と訴えた。

 ロイター通信によると、政権は14日付の政令で、新たに7000人以上の大学教員、公務員、警察官を解雇。ユルドゥルム首相は14日、非常事態宣言を今週半ば以降にさらに3カ月間、延長する方針を表明した。エルドアン大統領は15日から16日にかけて開くクーデター失敗の犠牲者追悼行事で、国民に団結を呼びかける。

最終更新:7/15(土) 22:21
毎日新聞