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<九州豪雨>泥との闘い正念場 ボランティア続々

7/15(土) 21:13配信

毎日新聞

 九州北部豪雨で流れ出た大量の土砂と泥水が被災者の生活再建を阻んでいる。福岡県朝倉市杷木(はき)地区や、大分県日田市小野地区の一集落では浄水場が土砂で埋まったり、取水施設が水没したりして断水が続く。多くの民家も被災し、住民らは土砂のかき出しに追われている。一方で3連休初日の15日、両県の被災地には、全国から2400人以上の災害ボランティアが駆け付け、支援が本格化した。

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 5日の豪雨で朝倉市杷木地区は赤谷川が氾濫した。杷木浄水場に大量の土砂や流木が押し寄せ、水をきれいにする「ろ過池」2基を覆った。ショベルカーによる撤去作業で15日までに1基の土砂は大半を取り除いたが、もう1基は手つかずの状態。復旧の見通しはたっておらず、地区の大半の1654世帯が断水となっている。

 撤去作業をしている男性作業員(54)は「日ごとに土砂が固くなり、取りにくい」と焦りの色を濃くする。応急措置として、市水道課の保坂恭彦係長は「移動式のろ過装置を使い、2週間をめどに一部地域で通水を始めたい」と語る。ただ、風呂や洗濯に使えるが、しばらくは飲み水には適さないという。

 住民たちは避難所などにある給水所に行って水を調達するしかない。同市杷木林田のラーメン店経営、井手美枝子さん(63)は「近所の車がない人たちの分も運んでいる。水が出ないのでラーメン屋も再開できない」とため息をつく。

 大分県日田市では、大規模な土砂崩れで川がせき止められて形成された「土砂ダム」の泥水に取水施設が水没し、小野地区の鈴連(すずれ)町梛野(なぎの)の集落(16世帯45人)で断水が続く。

 市は今後、給水車で水を集落に運搬する計画。現在、水をためる仮設タンクを集落に設置する工事を進めており、22日をめどに完了予定だ。集落を離れて避難中の会社員、美野謙治さん(70)は「水が出ないと掃除もできず、どうにもならない」と復旧を待ち望む。

 両県では多くの民家にも土砂が流入しており、ボランティアへの期待が高い。15日、福岡県東峰村では、同県立須恵高の男子バレー部員21人が民家に入り込んだ土砂のかき出しを手伝った。2年生の園田健太さん(17)は「固まっていた土砂はスコップでほぐしてから運んだ。大変だった」と話した。【中里顕、安部志帆子、土田暁彦】

最終更新:7/15(土) 21:58
毎日新聞