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<都市対抗野球>病乗り越え晴れ舞台 ホンダ鈴鹿・平尾

7/15(土) 21:16配信

毎日新聞

 第88回都市対抗野球大会第2日の15日、三重県鈴鹿市・ホンダ鈴鹿は山形市・きらやか銀行と対戦した。高校時代に患った病を乗り越え、野球を続ける新人・平尾奎太(けいた)投手(23)が2番手で登板し、完璧なリリーフで勝利投手になった。「野球ができる喜びを東京ドームでぶつけたい」。大阪桐蔭高では藤浪晋太郎投手(阪神)と同級生。プロ入りした藤浪投手に比べ順風満帆ではなかった左腕が、社会人初の晴れ舞台で躍動した。

 190センチ近い長身から投げ下ろす速球派。将来を嘱望される中、高校2年の秋の健康診断で腎臓の病気が見つかった。医師からは「野球を続けるのは難しい」とマネジャー転向を勧められたが、現役続行を願って「完治が長引いてもいいので野球を続けたい」と説得。手術で選手生命をつないだ。

 入院中だった秋の府大会中に藤浪投手から電話があった。「俺がしっかり抑えるので大丈夫」と励まされた。3年生時には登板機会はなかったものの、春夏連覇した甲子園でベンチ入りした。

 藤浪投手は卒業後、阪神に入団したが、病が完全に癒えていなかった平尾投手は、進学した同志社大で2年間裏方に徹した。初登板は3年春のリーグ戦での中継ぎ。初先発初完封で復活したのは秋のリーグ戦だった。

 大病を経験した平尾投手は「野球ができることに感謝」という文字を、グラブに記している。藤浪投手のグラブにも、高校時代「感謝」の文字があった。藤浪投手は今季、不調で2軍生活が続くが、心境を察し連絡はしていない。それでも「感謝」の二文字が、2人の友情をつないでいる。

 この日は四回から中継ぎ登板。相手打線を無安打に封じ、逆転勝利の立役者となった。「藤浪にいい姿を見せられた」。社会人野球最高の舞台で放った輝きは、復活を期す藤浪投手へのエールだ。自身の夢もある。「いずれは藤浪と同じ舞台に立ちたい」【佐野裕】

最終更新:7/15(土) 21:53
毎日新聞

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