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【沖縄】美来工科・玉城、代打満弾で38年ぶり聖地に王手

7/16(日) 6:04配信

スポーツ報知

◆全国高校野球選手権沖縄大会 ▽準決勝 美来工科8―0八重山農林=7回コールド=(15日・沖縄セルラースタジアム那覇)

 沖縄では準決勝2試合が行われ、美来工科の背番号18・玉城幸人(たまき・ゆきと)外野手(2年)が代打満塁本塁打を放った。166センチの伏兵の今大会2本目となる代打アーチで、中部工時代の79年以来38年ぶり2度目の甲子園出場に王手をかけた。全国一番乗りを懸けて、今日の決勝戦で興南と対戦する。

 乾いた打球音がスタンドにこだました。代打・玉城の打球は左翼へ高々と上がった。球場にいる全員が、真夏の青空を見上げた。「犠牲フライだと思った。一塁を蹴った後に歓声が聞こえて『あ、入ったんだなぁ』と」。塁上を回りながら何度もガッツポーズ。笑顔でホームインすると、仲間から手荒い祝福を受けた。

 1点リードの4回1死、代打の切り札が満塁弾で勝負を決めた。眞玉橋元博監督(49)は、相手が左腕にスイッチすると動いた。左を苦手とする左打ちの7番・新垣海斗主将(3年)に代え、迷わず玉城を送った。直後の初球。「ピンチで初球に変化球はないだろう」と読んだ、166センチ、65キロの小柄な右打者。憧れのソフトバンク・柳田ばりのフルスイングで描いたでっかい放物線で、今大会4試合で計4失点だった八重山農林をコールドで沈めた。

 小さな体で長打が打てる要因は美来工科ナインが取り組む“フロントフット打法”にある。後ろ足に体重を乗せて打つのが基本だが、逆転の発想で打つ際に前足に全体重を乗せ、ミートポイントを前にする。こうすることで体は小さくても強い打球が打てる。その体現者が玉城だった。

 今春に初めてベンチ入りした背番号18。本来は外野手だが、守備が苦手で主に代打をこなす。今大会は3回戦の北山戦でも代打本塁打を記録。高校通算はこの2本のみだが、彗星のごとく現れた強打者に、10年に嘉手納をセンバツに導いた指揮官も「重苦しい雰囲気を吹き飛ばしてくれた」とニッコリだ。玉城の父・正幸さん(52)も「親がこんなこと言うのもあれですけど、神ってますよね。信じられない」と驚きを隠せなかった。

 38年ぶりの聖地まであと1勝。「興南は投手がいい。今はチャンスで打てている。このまま明日も打ちたい」。小柄な伏兵が横綱・興南に牙をむく。(河原崎 功治)

最終更新:7/16(日) 8:00
スポーツ報知