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目立つことが苦手なソフトバンク・柳田がホームランダービー初V 「穏やかな心」で爆発的な成績を残す

7/15(土) 15:00配信

サンケイスポーツ

 【球界ここだけの話】

 とにかく明るい表情が目立つ。14日のオールスターゲーム第1戦(ナゴヤドーム)のホームランダービーは、ソフトバンク・柳田悠岐外野手(28)が初優勝した。4年連続6度目の参戦。過去3度はトーナメント方式の決勝で敗退していたが、ついに頂点に立った。

 「せっかく出るんだから。試合でも練習でもホームランは気持ちいいものだし、楽しもうと思いました。ファンの方に選んでもらったし、喜ばせたいな、とも」

 今回は前向きな気持ちで出場した。過去3年はどちらかというと消極的だった。もともと目立つことが苦手な性格。他を圧倒するフルスイング、俊足、強肩で魅せる豪快なプレーとは逆に、実は繊細な心の持ち主だ。

 つい先日のヤフオクドームでのヒーローインタビューでのこと。九州を襲った豪雨について質問され、口ごもってしまった。口下手で、うまく思いを表現できずに落ち込んだ。試合での大活躍も忘れて「やっちゃった、どうしよう」と真剣に悩んでいた。

 気にしすぎる性格だから、本塁打競争のような余興で注目を浴びることにも気が引ける。「毎年選んでもらって、毎年負けているから」。ファン投票で選ばれ、期待に応えられないことへのもどかしさや恥ずかしさも人一倍強い。だが、ポジティブな思考で臨んだだけで、結果はガラリと変わった。

 前向きな気持ちこそが大活躍の土台となる。前半戦は打率・327、23本塁打、75打点、出塁率446の4冠で折り返した。お立ち台で好調の要因を「穏やかな心です」と話す姿は、すっかりおなじみに。工藤監督から毎日のように言われている言葉だ。苦戦した5月には、藤本打撃コーチも「あいつは心の問題だけ」と繰り返した。打席での細かいミスやボールの見極めの失敗を後に引きずっていた。気持ちが安定すると、爆発的な成績を残した。

 現在の柳田は「どんな場面でも自分のスイングをすることだけを考えられる」と語る。2打数無安打に終わった球宴第1戦の試合後も「いいスイングはできたので満足」と笑顔。ホームランダービーにまで影響した「穏やかな心」が続く限り、周囲の期待すら上回る大活躍が見られそうだ。(安藤理)