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イチローの選手生命維持装置「マイルストーン」 最年長や通算安打記録更新に意欲

7/15(土) 15:11配信

産経新聞

【大リーグ通信】

 マーリンズのイチロー(43)にとって、次々にやってくる「マイルストーン」、つまり金字塔が現役を継続させる重要な要素であるようだ。

 7月6日のカージナルス戦、イチローは久しぶりに興奮していた。「最多記録というのは重要ではないです。誰の記録というのが重要。ロッド・カルーで、それが特別ということです。実際会ったときも、あふれる空気にすごく僕のことを気にかけてくれているのが伝わってきた。あの雰囲気でいられるのは王(貞治)さんに通じるものがあって、そういう意味で特別な記録、かかわりです、僕の中では」と語った。

 24位のロッド・カルー(71、元ツインズ)が持つ3053安打を超え3054安打とした試合だった。パナマ出身のカルーを上回ったことで、米国以外出身選手でトップになった。

 「24位の次は23位。そして22位と続いていく」(MLB公式HP)と、カウントダウンは終わりを見せない。さらに23位リッキー・ヘンダーソン(58、アスレチックスなど)の3055安打、クレイグ・ヒジオ(51、アストロズ)の3060安打と続いていく。

 バットの記録と並行して守備での金字塔も達成している。

 6月25日にはカブス戦で「1番・中堅」でスタメンに名を連ねた。これが「1900年以降、センターで先発出場した最も高齢の選手。アスレチックスのリッキー・ヘンダーソンの記録を約1カ月更新した」とAP通信。この日のイチローは43歳246日。ヘンダーソンは2002年にマークしたとき43歳211日だった。

 試合後のイチローは何も話さなかったというが、MLB公式サイトは「イチローが新たな歴史をまた刻んだ」と称賛。有力紙のワシントン・ポストもマッティングリー監督の言葉を引用して、「驚いた。40代の中堅手を見てきたが、イチローは全く違う。走ることも投げることも、とても40代の選手には見えない」と、記念すべき日のイチローに感心していた。

 これまでイチローは積み上げてきた記録に対しては周囲の騒ぎっぷりとは対照的に「平静」を装ってきた。

 たとえば、2500安打を達成したときには、「記録というのが気持ちいいのは一瞬だけということ」などと、表面上は冷めたコメントを残している。

 だが、3000安打達成時からコメントを含めて、対応に変化が現れてきた。「あんなに達成した瞬間にチームメートたちが喜んでくれて、ファンの人たちが喜んでくれた。僕にとって3000という数字よりも僕が何かをすることで僕以外の人たちが喜んでくれることが、今の僕にとって何より大事なことだということを再認識した瞬間でした」と、自分のことより、ファンや周囲のことを第一に挙げた。

 ブレーブスの投手コローン(44)が戦力外となり、ブルージェイズとマイナー契約を結んだが、現時点では正真正銘最年長。「50歳まで現役」「引退するのは死ぬとき」などと、グラウンドに立ち続けることにこだわるイチローにとって、最も不安に思っていることは「忘れられた存在」になることという。試合に出てもファンからの声援がなくなることを心配している。

 それを防ぐには-。「マイルストーン」、つまり記録の更新が格好の気力を維持する源なのだ。

最終更新:7/15(土) 15:11
産経新聞

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