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新型「カムリ」に採用、3年前からトヨタに技術者を派遣した加工機メーカー

7/15(土) 9:56配信

ニュースイッチ

エンシュウが共同開発、エンジンの燃費性能や動力性能向上へ

 エンシュウは、自動車エンジンのバルブシートをレーザーで肉盛りするレーザークラッドバルブシート加工機をトヨタ自動車と共同開発した。トヨタが10日に発売した新型「カムリ」の新世代エンジンに採用され、量産を開始した。従来の圧入方式と比べエンジンの燃費性能や動力性能の向上につながる。

 バルブシートはシリンダーヘッドのエンジンバルブが接触する弁座で、高い強度が求められる。レーザークラッドバルブシート加工はバルブポート部に金属粉末を供給しながらレーザーで溶融させ、直接肉盛りする。

 従来のバルブシートを圧入する方式ではポート部が湾曲した形状となる。肉盛りにすることでストレート形状にでき、燃焼室に効率良く空気を送り込めるためエンジン性能が向上する。

 エンシュウは約3年前からトヨタに技術者を派遣。トヨタが開発したレーザークラッド工法の量産化を実現するため、培った工作機械やレーザー関連技術を結集した。

 同技術は他社でもレース車や一部車種に採用されているが、量産の例は少ない。トヨタは同工法によるエンジンを他車種への展開も検討する。

<解説>
 エンシュウは専用機や汎用機、搬送装置も含むシステム開発とメンテナンスなど総合的なサービスで顧客の信用を得てきた。2016年には日産自動車とホーニング機能付き立型マシニングセンターを共同開発して技術力をアピール。インドやメキシコに拠点を設けるなど新興国戦略も加速させようとしている。

 2020年に創業100周年を迎えるが、足元の経営環境は厳しい。老舗復活のため、今年、生え抜きのエースである山下晴央社長が就任した。山下社長は工作機械の技術畑出身だが、部品事業や海外駐在も経験。エンシュウは高い技術力がありながら、提案力やコスト管理の弱さのため収益に結びついていないのが課題なので、トヨタの案件を弾みにしたいところだ。

最終更新:7/15(土) 9:56
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