ここから本文です

IoTビジネス ブレーク前夜 鍛圧機械各社、加工支援まで踏み込む

7/15(土) 15:56配信

日刊工業新聞電子版

■稼働監視は当たり前、競争軸はサービス品質へ

 鍛圧機械各社がIoTを活用したサービスを本格化する。機械の稼働状況監視にとどまらず、具体的な加工支援にまで踏み込む企業も出ている。製品の加工性能だけでなく、サービス品質が各社の競争軸になっている。

 「アシストガス圧を10%上げてください」―。アマダホールディングスが2018年1月にサービスを始めるIoTを活用した板金加工システム「Vファクトリー」を活用すると、加工断面の粗さに悩む顧客に対し、加工改善につながる助言を瞬時に得られる。使い方は、アマダのレーザー加工機で加工した対象物(ワーク)の加工断面をタブレット端末で撮影してアマダの専用サイトに送信するだけ。

 アマダはワークのバリの出方など画像から得られる情報、IoTで集めたレーザー加工機の稼働情報、これまで蓄積してきた加工ノウハウなどから改善につながる具体的な助言を作成する。「同じ加工機でも使われ方により精度や状態が異なる」(同社担当者)ため、顧客ごとに具体的な助言を送る。

 ヤマザキマザックは工作機械で培ったIoTのノウハウをレーザー加工機にも展開する。工作機械の稼働状況監視・分析ソフトウエアのレーザー加工機版を開発した。レーザー発振器の使用効率や出力、周波数などレーザーの状態をスマートフォンなどで確認できる。

 米シスコシステムズと共同開発したネットワーク接続装置はレーザー加工機にも適用でき、工場の稼働状況を収集できる。セキュリティーが高いほか、米国発の通信規格「MTコネクト」に対応している。

 ヤマザキマザックはレーザー加工機の顧客のIoT活用はまだ進んでいないと見る。中西正純常務執行役員営業本部本部長は「IoTがわかりづらいこともあり、導入は遅れている」と現状を説いた上で、「分析機能やセキュリティーの高さなどのメリットを伝える」と採用拡大に意気込む。

 コマツ産機(金沢市)はIoTを活用した生産支援システム「KOM―MICS(コムミックス)」の提供開始を控える。顧客のプレス機・板金機械の稼働データ収集や予防保全に役立てる。

 親会社のコマツが建設機械工場で培った生産データ収集の仕組みを応用した。工場に適した専用端末を使用し、製品や生産のデータをもとに歩留まりやトレーサビリティー(履歴管理)を向上できる。

 久米真司事業管理部長は「未来の現場をサポートする」と位置付けを説明し、ビジネスモデルの拡充を見据える。プレス機械・板金機械の販売拡大への貢献も期待される。