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「ツインターボ」を聞かなくなったワケ 時代と共に変化し続ける「ターボ」という技術

7/15(土) 7:13配信

乗りものニュース

めっきり聞かなくなったクルマの「ツインターボ」

 かつて、高性能なクルマの売り文句のひとつに「ツインターボ」というものがありました。エンジンに空気をよりたくさん送り込むターボがふたつ(ツイン)あることから、「ツインターボ」と呼ばれ、強力なエンジン馬力を生み出していたのです。

【写真】ツインターボ採用、2代目「NSX」

 ところが、最近はすっかりその名を聞くことが少なくなりました。理由のひとつは高性能スポーツカーの減少でしょう。

 実は、いまでも日産「GT-R」やホンダ「NSX」、BMW「M4」などの高性能スポーツカーには、「ツインターボ」のエンジンが搭載されています。しかし、いまの日本においてスポーツカーは、すっかり少数派。街を見渡せば、省燃費をうたうエコカーばかりというのが実際です。そうした世の中で「ツインターボ」を使ってハイパワーを絞り出すクルマの話を耳にするのは少なくなってしまったというのが、最大の理由でしょう。

 技術の進化も「ツインターボ」を耳にしなくなった理由のひとつです。かつては、手っ取り早くパワーを絞り出すには、ふたつのターボを使うという手法が大いに流行りました。しかし、最近ではひとつのターボでも空気の流し方を工夫することで、まるでふたつのターボを使ったように、低回転域でも高回転域でもパワーを出す方法が確立されました。それが「ツインスクロールターボ」です。スバル「WRX STI」やBMW「M2」などの高性能スポーツカーに採用されています。

「ターボ」はいま、どうなっている?

 では省燃費重視の世の中になってターボを使うクルマが減ったかというと、実は反対です。欧州から「過給ダウンサイジング」という提案がなされ、広く採用されました。

 かんたんにいえば、排気量を小さくしたエンジンにターボなどの過給機を付けるというものです。これにより、負荷の少ないところでは小排気量エンジンのように省燃費で走ることができます。また、パワーが必要なときはターボを使えばOK。省燃費でありながらもパワー不足を感じないというのが「過給ダウンサイジング」の狙いです。排気量が小さいので、税制上有利という魅力もあります。

 フォルクスワーゲンやプジョーといった欧州ブランドが提案したこともあり、欧州車では大いに流行り、今では欧州車の主流になるほど増えています。

 この方式は、日本でもいくつかのモデルで採用されています。その一例がホンダ「ステップワゴン」やトヨタ「クラウン」です。前者は1.5リッターのターボ・エンジン、後者には2リッターのターボ・エンジンが搭載されたグレードをラインナップしています。ライバルよりも、ひとクラス小さなエンジンですね。

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