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車体の一部がニョキニョキと……、キャンピングカーのスライドアウトって何?

7/15(土) 11:10配信

朝日新聞デジタル

 走るときや駐車中は小さくて、暮らすときは広がる。そんな夢のような機能がついたキャンピングカーがあります。
 ひとつは、以前にもご紹介したポップアップルーフ。居住の際には天井が高くなる仕様です(→ポップアップルーフってどんなもの?)。
 そしてもうひとつが、車体の側面の一部を広げるタイプ。これをスライドアウトといいます。

【関連写真】アドリア社のコンパクト スライドアウトの車内やアメリカ製クラスAほか

スライドアウトはアメリカ車の装備

 ワンタッチ操作で車体の一部が30~50cmほど車外にせり出して、車内が広々とした空間になるスライドアウト。これは主に、アメリカ製キャンピングカーに装備されています。

 スライドアウトが搭載されるようになったのは、90年代後半から。初期には「隙間が多くて雨漏りする」「壊れやすい」といったトラブルもあったようですが、各社とも改良を重ね、いまや信頼できる装備になりました。

 特に自走式のクラスCやクラスA、トレーラーにも普及し、大型の車両では4カ所もスライドアウトがある例もあります。元から日本では登録できない、幅2.5mを超える車体が、さらに左右に30cmずつ広がるのですから、その広さはまさに住宅並み。「自宅と変わらない空間を持ち運ぼう」というアメリカらしいコンセプトといえるでしょう。

 以前ご紹介した、ダウンサイジングされたアメリカ車でも、スライドアウトを装備していますから、米国人にとっていかに必要な機能かということがわかりますね。日本でも登録可能なダウンサイジングタイプなら、広々空間を手に入れることができるというわけです(→アメリカ製ダウンサイジング車がやってきた!)。

ヨーロッパ車では少数派

 ヨーロッパ製キャンピングカーの場合、一部の大型車や大型トレーラーには見られますが、日本に入って来るような中・小型の車両には、あまり採用されていません。

 その理由は、どうやらキャンピングカーの使い方にありそうです。ヨーロッパでのキャンピングカーは、旅の道具であるとともに、やはりアウトドアを楽しむもの。昼間は車外で過ごすことが多く、室内の広さにはさほどこだわらないようです。結果、室内を広げる装備は、あまり人気が無いようです。

 日本に輸入されている、数少ないヨーロッパ製のスライドアウト装備車としては、アドリア社の「コンパクト スライドアウト」という車両があります。このクルマは、横ではなく縦に伸びるスライドアウトで「走行中の車体を可能な限り小さくしたい」というニーズに応えて作られたもの。スライドアウトする部分はベッドスペースのごく限られた箇所にすぎません。

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