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住友鉱、金属製錬工程にAIを試験導入 現場の課題解決時間を短縮

7/15(土) 17:15配信

日刊工業新聞電子版

■人とAIの共存関係築く

 住友金属鉱山は2017年度内に金属製錬や結晶材料事業の一部工程で、AI技術の一つである「ディープラーニング(深層学習)」を試験導入する。設備の稼働率向上や故障の未然防止、製品の歩留まり向上といった製造現場の課題解決に、深層学習技術を活用する。試験導入を通じ、深層学習の有用性や投資効果を検証。18年度以降、全社の製造部門への本格導入を目指す。

 深層学習は、脳神経回路を模した情報処理システムを使い、人間の学習能力と同様の機能をコンピューターで実現する技術。工場の設備に装着したセンサーなどから集めた大量のデータを深層学習で解析し、故障や不良の予兆を検出する、といった使い方ができる。

 故障予測に深層学習技術を利用する場合、予測精度の向上などの効果が見込める。住友鉱の槙孝一郎ICT推進室長は「ディープラーニングの活用で、課題解決に要する時間も短縮できるのではないか」と期待する。

 試験導入では、機能を絞った低コストのシステムを使用。将来は熟練者の持つ経験や勘を深層学習技術でデータ化し、技能伝承や人材育成に役立てるなど、「人とAIが戦うのではなく、人のそばにAIがあるという共存関係を築きたい」と槙ICT推進室長は話す。

 同社は16年12月、技術本部内にICT推進室を設置。IoTやビッグデータ、AIなど、ICTの全社的な活用推進策を検討してきた。深層学習技術の試験導入もその一環となる。