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夏本番間近もビールが売れない!大手メーカーの秘策とは

7/15(土) 15:09配信

ニュースイッチ

1-6月は5年連続で最低を更新。安売り規制強化が影響

 関東地方などは連日暑い日が続いているが、ビールの販売は不振だ。大手各社がまとめた1―6月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)課税出荷数量は前年同期比1・3%減の1億9025万3000ケース(1ケースは大瓶20本換算)と5年連続で最低を更新。ビール、発泡酒、第三のビールともに前年同期比マイナスになった。前年に大型新商品が出た反動減に加え、6月の安売り規制強化で店頭価格が上昇したことが響いた。

 ジャンル別ではビールが前年同期比1・4%減の9421万1000ケースで2年ぶりのマイナス、発泡酒は同2・4%減の2636万4000ケースで2年連続マイナス、第三のビールは同0・7%減の6967万8000ケースで4年連続マイナス。

 ビール各社は夏場以降に巻き返そうと必死だ。サッポロビールはJR新宿駅新南改札外に、黒ラベルビールをPRする期間限定のビアガーデン「THE PERFECT BEER GARDEN 2017 TOKYO」をオープンさせた。

 154席で“生ビール”のおいしさにこだわった黒ラベルと、枝豆などおつまみ類を販売する。黒ラベルの認知度向上と売り上げ拡大につなげる。宮石徹取締役常務執行役員は「黒ラベルは2015年のリニューアル以降、売り上げが伸びている。流れをさらに確固たるものにしたい」と意気込む。期間は9月17日まで。

人気のクラフト強化に、宅配を全国展開

 アサヒビールは小規模醸造のクラフトビール事業を拡大する。ビール主力工場の茨城工場(茨城県守谷市)内に、クラフトビール用の小規模醸造設備を新たに導入。本社ビルに隣接する隅田川パブブルワリー(東京都墨田区)の設備で商品開発を行うとともに、9月から居酒屋など業務店向けに、クラフトビールの外販を始める。設備投資額は約10億円。年内に、東京23区内で100店の取り扱いを目指す。

 ビール業界ではキリンビールが業務店向けに「タップ・マルシェ」で外販を始め、年内に1000店の取り扱いを目指している。

 そのキリンビールは会員制の宅配ビール「キリン ホームタップ」の全国展開を始めた。専用のビールサーバーをまず無料で家庭に設置、月2900円(消費税抜き)の基本料金プラス4000円(同)で毎月2回、工場できたてのプレミアム生ビールを自宅に直送する。専用サーバーとできたての味で、ビールの新たな魅力を提案する。2017年末までに計3000人の会員を目指す。

 宅配ビールで届けるのは、「一番搾りプレミアム」や、期間限定の専用ビール。「できたてのため、通常とは違うおいしさが味わえる」(キリンビール)とする。ビールは横浜工場(横浜市鶴見区)で生産、保冷宅配便で自宅へ届ける。配達日や時間も指定できる。

 届けるビールの量は1回2リットル。専用のペットボトル入りで、サーバーに取り付けて中身を注ぐ。15年8月から首都圏の1都3県で試験展開。需要が見込めるため、全国展開に踏み切った。

 アサヒグループの調査によると、家飲みの頻度で「週2回以上」と答えた割合は75・2%に達し、会社帰りに居酒屋に寄る従来イメージが、家飲みにシフトしている状況が鮮明になっている。ほぼ毎日、家飲みしていると答えた割合も35・7%に上った。特にシニアになるほど、家飲みを選ぶ傾向が強かった。

 ビール各社も単なる新商品投入で消費を喚起するだけでなく、生活スタイルの変化にも敏感に対応し始めている。

最終更新:7/15(土) 15:09
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