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英国生まれの「ウインザーチェア」日本での愛用品、長野で展覧会

7/16(日) 10:01配信

THE PAGE

 18世紀にイギリスで生まれた「ウインザーチェア」を国内で大規模に集めた展覧会が8月27日まで長野市の長野県信濃美術館で開かれており、愛好家らが訪れています。展示の椅子は国内に所蔵されている約100点近く。ウインザーチェアはイギリスの庶民の実用工芸品として生まれたものの発祥の詳細は不明な点もあり、研究者らの関心も集めています。

美しく実用的なデザイン

 今回展示の椅子は18世紀から19世紀にかけてイギリスで作られたもののうち、同国や日本で長い間使用されてきた95点と関連のテーブルなど。国内の民芸館や美術館、個人が所蔵しているものを集めました。

 信濃美術館によると、ウインザーチェアはイギリスで実用の椅子として作られ、最初は木工職人らが手掛けたのではないかとされていますが、現地の研究でも詳細は不明。庶民が実用で使う椅子として普及し、18世紀から19世紀にかけてデザインや機能などが変化していきました。

 厚い板で作った「座板」に差し込まれた脚で支えられ、木製の何本かの棒を背面に差し込んだ背もたれでできているのが特徴。初期は背もたれがくし(櫛)の形に見える「コムバック」型が広がり、その後背もたれの上部を弓を曲げた形の「ボウバック」型とするデザインが登場しました(同美術館)。ボウバックの登場は、木の素材を曲げる技術が普及したためとも見られています。

 初期のコムバック型は、屋外で使用した椅子にペンキを塗ったものや座板の前部を上げて後ろを削り、座りやすくしたものなど細かい工夫も。一休みするための背もたれだけの小さな椅子なども登場して、製作者がそれぞれ使いやすさを追究したことがうかがえます。

 19世紀になると装飾的なデザインも登場。脚を優雅な形の「猫足」にしたり、座る座板を広くしデザインも丸くするなどの変化が出てきます。このほか変わり種では子供用のトイレ「おまる」として使う丸い穴の開いた小さな椅子も現れました。

 信濃美術館の福士恵子学芸員によると、ウインザーチェアはニレなどの堅い木で作られますが、イギリスの影響で製作が広がったアメリカではパインなどの軟らかい木で作られました。

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最終更新:7/21(金) 6:09
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