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<イージス艦事故>「沿岸警備隊が協力」米、海保と捜査連携

7/16(日) 6:45配信

毎日新聞

 静岡県伊豆半島沖で米イージス駆逐艦「フィッツジェラルド」とフィリピン船籍の大型コンテナ船が衝突し、米艦乗組員7人が死亡、3人が負傷した事故で、同艦が所属する米海軍第7艦隊は、毎日新聞の取材に、日本との捜査協力について、米側で事故を捜査している米沿岸警備隊を通じて行う考えを明らかにした。ただ、協力の具体的な内容は不明で、日本側が求める同艦の実況見分や乗組員の事情聴取の実現は困難視されている。

【動画】衝突した米イージス艦とコンテナ船

 衝突事故は17日で発生から1カ月。海上保安庁は米側に捜査協力を粘り強く求めていくとしている。一方、米海軍は同艦の本格修理のため米国本土に移送する準備を進めている。

 米海軍によると、同艦は11日、横須賀基地内の桟橋から修理などを行うドライドックに陸揚げ。衝突で開いた船底の大きな穴(幅約4メートル)を応急処置のパッチ(継ぎ当て)で塞ぎ、内部に残った海水や燃料を抜くなどの作業を実施。内部の損傷の査定も行っている。

 数百キロ先の複数の航空機や弾道ミサイルを同時に捕捉できるイージスシステムなどの本格的な修理は、米本土でしか行えないとされる。米海軍は自力航行か、台船に載せて運ぶなどの方法を検討しているとみられるが、移送までにはかなりの時間を要する見込みだ。

 海上保安庁は、コンテナ船の記録などから両船の位置の特定などを進めている。事故が起きた海域を管轄する下田海上保安部も、業務上過失往来危険などの容疑でコンテナ船乗組員から事情を聴き、どちらに回避義務があったかを調べているがイージス艦側の状況は分かっていない。

 発生1カ月を前に米海軍第7艦隊広報官のクレイトン・ドス中佐は、毎日新聞の取材に「米海軍は海難事故調査を主導する米沿岸警備隊と緊密に協力し、沿岸警備隊を通じて日本、フィリピン当局に協力している」と回答。具体的な協力内容は言及しなかった。

 公務中の米兵による事件事故の第1次裁判権は米側にあると定める日米地位協定が壁となり、今回も米側が事情聴取した内容の情報提供などにとどまる可能性が高い。海保幹部は「イージス艦の破損状況や乗組員の死因が捜査できなければ、原因解明や乗組員の死亡と事故との因果関係の立証は難しい」との見解を示した。【田中義宏、酒井祥宏】

 【ことば】米海軍イージス艦とコンテナ船の衝突事故

 6月17日午前1時半ごろに発生し、約55分後の同2時25分ごろにコンテナ船が海保に通報した。右舷側が大きく損傷したイージス艦は、水面下の船体に開いた穴から浸水し、乗組員10人が死傷。コンテナ船は船首左側が損傷したが、フィリピン国籍の乗組員は全員無事だった。

最終更新:7/16(日) 6:45
毎日新聞