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「資産価値が維持しやすい」新築マンション選び 「モデルルーム見学」7か条

7/16(日) 12:30配信

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マンション選びにおいては何より立地が重要。当然のことながら都市の中心部に近いほど、また、駅からの徒歩時間の短いマンションほど価格が高い。しかも、新築時の販売価格を高く設定できるエリアほど、将来的な資産価値も維持しやすい。

ハッキリいえば、分譲価格が高いマンションほど中古住宅としての価格が高くなり、安いマンションほど安くなる可能性が高いということだ。

■首都圏の「マンションPBR」 最も高いのは六本木一丁目

たとえば、不動産調査会社の東京カンテイでは、一定期間内に分譲されたマンションの資産価値が新築分譲時の何倍になっているかを示す「マンションPBR」という数値を公表している。それによると、首都圏で最もPBRが高かったのは、東京メトロ南北線の六本木一丁目駅の1.56。専有面積70㎡換算の新築時の平均価格が1億0155万円に対して、中古流通価格は1億5885万円、つまり1.56倍になっているわけだ。このほか、外苑前駅、御成門駅、麻布十番駅など東京都心の人気エリアが上位にズラリと並んでいる。

■価格の安い物件は値段が下がりやすい

反対に、PBRが最も低かったのは京成本線ユーカリが丘駅の0.59。分譲価格3230万円に対して、中古流通価格は1925万円だった。分譲時価格の6割ほどに価値がダウンしているわけだ。そのほかPBRの低い駅としては、西武池袋線の飯能駅、京葉高速鉄道の八千代緑が丘駅など、郊外の、そもそも分譲時のマンション価格が安いエリアが続いている。

つまり、新築時の分譲価格の高いエリアほど、将来的な資産価値も維持しやすいということになる。反対に分譲時価格の安いエリアでは、分譲後に資産価値が大幅に低下するリスクが大きいわけだ。

これは、都心からの距離だけではなく、都心からの方向にもよる。たとえば、首都圏であれば、東急東横線や東急田園都市線、小田急小田原線、京王線などの人気沿線は価格が高く、資産価値も維持しやすいのに対して、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)、京成本線などは比較的安く手に入れることができるが、その分取得後の資産価値も値下がりしやすいということだ。

■立地や価格に見合った設備仕様や管理

ただ、そうはいっても誰でも分譲時価格の高いマンションを買えるわけではない。そこで、注目しておきたいのが、比較的リーズナブルな価格帯の物件であっても、資産価値を維持しやすいマンションもあるという点。やはり立地に関係してくるが、駅からの徒歩時間が長くても、利便性の高いマンションを見つけるということだ。

マンションは何より利便性が重視されるので、東京カンテイによると、首都圏では徒歩3分以内が18.3%、4~7分が40.5%と、7分以内が全体の6割近くを占める。近畿圏や中部圏ではこの7分以内が7割を超える。これだけ駅に近いエリアでの分譲が多い以上、徒歩10分以上かかる物件はそれだけで分譲価格が安く、資産価値も下がりやすい。

しかし、例外もある。郊外部に出ると最近は駅前の商店街がシャッター街になり、むしろ駅から徒歩10分、15分かかるけれど、そこに大規模商業施設がオープン、周辺に飲食店なども続々と開業して駅前よりむしろ便利になっているところもある。その結果、分譲価格は安くても、郊外型物件としては比較的資産価値を維持しやすい面がある。

こうした立地であれば、通勤や通学には負担は大きいかもしれないが、買物が便利で近くに公園など自然環境も充実しているのが一般的。子育て世帯などにとっては、むしろこちらのほうが生活しやすいのではないだろうか。そうした点への評価が高まれば、今後は資産価値面でも一定の上昇が期待できるかもしれない。

■安全・安心面などの最新機能をチェック

マンションの価値を決めるいまひとつの要素として、建物のグレード、設備仕様や管理の内容などがある。一般に20階建て以上の超高層マンションは分譲価格も高いけれど、資産価値も維持しやすいといわれる。

最近は超高層マンションの増加で希少性が低下して、資産価値を維持しにくくなっているといわれるが、それでも50階建て以上の物件はまださほど多くないので、超高層のなかでも資産価値を維持しやすいといわれている。

建物についても、免震構造・制震構造などを採用して地震への安全性が高いマンションの人気が高い。住宅金融支援機構の調査などによると、住宅取得を予定している人のうち4割近くが「耐震性を重視」しており、その人たちのうち半数以上は「コストアップしても、耐震性を高めたい」としている。自然災害の多いわが国においては、こうした防災性能の高い住まいへの評価がますます高まるのではないだろうか。

このほか、CO2の削減が社会問題となっており、マンションでも高断熱・高気密や省エネ設備の設置によって省エネ性能が急速に高まっている。断熱性の高い素材、複層ガラスなどのエコガラスの標準化が進みつつある。

これらは日進月歩、いやそれ以上に秒進分歩の勢いで技術革新が進んでいるだけに、その時点で最新設備が設置されていないと、陳腐化するスピードも早い。時代のトレンドに遅れない設備や仕様をチェックしておく必要がある。

■自分たちにあったグレードの設備や管理を

ただ、何でも最先端、何でも設備満載であればいいというものではない。ほんとうに自分たち家族にとって必要なものかどうかが重要なポイントだ。

最近の新築マンションでは、宅配ボックスが当たり前になっている。しかし、ネット通販の利用増で常に宅配ボックスが満タンで機能不全に陥っているケースが多い。このため、全住戸にメールボックスと一体となった宅配ボックスを付ける動きも出ている。たいへん便利で、再配達の減少により、宅配会社の労働時間削減、CO2排出量削減などの社会的の効果も期待できる。

とはいえ、個別の宅配ボックスまで付けるとなると、当然その分コストアップになり、分譲価格に上乗せされることになる。でも、専業主婦で自宅にいる時間が長いのであれば、それはいらないかもしれない。それよりは少しでも安いマンションのほうが現実的だろう。

そのほか、大規模なマンションになるとキッズルーム、ゲストルームからキッチンスタジオ、カラオケルームまでさまざまな共用施設が付いてくる。でも、ほんとうにそれらがすべて必要なのだろうか。

自分たちのライフステージ、ライフスタイルにとって何が必要なのか、何がいらないのかを考えながら物件チェックを進めていくべきだろう。満艦飾のフル装備で高いマンションより、自分たちに合った最低限の設備や施設だけで、価格が安いマンションのほうがいいという選択もあるだろう。

■値段の比較は総額ではなく坪単価で

なお、価格を比較するときには、総額でみるのではなく、坪単価を算出して比較するのが無難。同じ5000万円のマンションでも、専有面積が50㎡のマンションと70㎡のマンションではまったく別物。3.3㎡当たりの坪単価に換算すると330万円と236万円になる。坪330万円ならそれなりの高額物件という評価になるから、価格に見合った立地のほか、一定のグレードに達しているのかどうか、設備仕様や管理などとのバランスを見ながらのチェックが重要になる。

一方比較的リーズナブルな価格帯のマンションであれば、共用設備などは少なく、建物のグレードもやや落ちることになる。さらに、管理面でも管理員が常駐していないなど、必ずしも十分とはいえない面があるかもしれない。それでも自分たちには問題はないのかどうか、よく確認しておく必要がある。

■モデルルーム見学の7か条

最後に、希望の物件をある程度絞り込んだら、いよいよ現地でモデルルームをチェックして契約という段取りになる。その現地とモデルルームを見学する際のポイントを整理しておこう。

1. モデルルームの前に現地に足を運ぶ
モデルルームは建設現場ではなく、駅前などの便利な場所に建てられているのがふつう。まずは、現地に足を運んで距離感や現地のイメージを仕入れておく

2. シアタールームは最後に見る
モデルルームに設置されたイメージビデオを最初にみると、素晴らしいイメージが刷り込まれてしまう。先入観を持たないためにも最後に回す

3. 自分たちの希望の間取りとの違いを確認
モデルルームは販売住戸のなかでも一番広い住戸の間取りになっていることが多い。自分たちの希望の住戸との違いを頭に入れておく

4. インテリアを無視して評価する
設置されているインテリアは基本的にオプション。何もない状態をイメージしながら見ることが大切。またサイズが小さめで、広く感じさせる家具が多いので注意しておく

5. 家族全員で評価できるようにする
家族全員で見学してそれぞれの視点から観察。評価ポイントを整理できるノートを作成して比較検討できるようにしておきたい

6. 最低でも5物件以上は見学する
相場観や最新トレンドを把握する意味でも5件程度は見学する。何件かみれば自然と目が肥えてきて、こけおどしに惑わされることがなくなる

7. 決める前にもう一度は現地へ
最終決断する前に、もう一度現地に足を運んで確認。できれば、時間や曜日などを違えて見学すると失敗を防げる可能性が高まる

住宅ジャーナリスト・山下和之
1952年生まれ。住宅・不動産分野を中心に新聞・雑誌・単行本・ポータルサイトの取材・原稿制作のほか、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『家を買う。その前に知っておきたいこと』(日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(学研プラス)などがある。『Business journal』、住宅展示場ハウジングステージ・最新住情報にて連載。

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最終更新:7/16(日) 12:30
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