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中学生もダメ出し 文科省「英語嫌い対策」は時代に逆行

7/16(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 政府の「教育振興基本計画(2013~17年度)」にある、生徒、教員の英語力の目標達成が困難だとして、きのう(14日)、総務省から対策勧告された文科省。小・中学校の英語教育については、中学生の間でも大不評であることが民間調査で分かっている。ところが、あろうことか、文科省は、どう見ても“英語嫌い”を前倒しするような対策を打ち出しているから、いやはや開いた口がふさがらない。

 ベネッセ教育総合研究所が昨年実施した意識調査で、中1の約半数(48.5%)が「小学校での英語の勉強は中学校では役に立たない」と回答した。全国1170人が対象だが、うち583人は継続調査だった。一昨年3月の小6時には、82.6%が「小学校の英語は中学校で役に立つ」と期待していたが、いざ中1になると53.9%に激減している。期待していた中学英語に「ちっともおもしろくない」と落胆する中1生が目に浮かぶ。文科省はこう言う。

「文科省のアンケートでも、年次が進むにつれ英語が好きという割合が減っていく傾向は認識しています。小学校と中学校の英語の“接続”がうまくいっていない。今年3月の学習指導要領の改定で、20年度をメドに5、6年から始まる外国語活動を3、4年生に早め、5、6年の英語活動を教科にします」(国際教育課・外国語教育推進室)

■“緩い期間”をもっと長くすべき

 英語に慣れ親しむのを早め、高学年では教科に格上げ、小学校からしっかり教えるというのだ。教科になれば成績として評価される。準備万端で中学に入るので“接続”が改善されるというわけだが、大阪産業大客員教授の八幡義雄氏(教育学)は首をかしげる。

「小学校英語をより強化するのは逆行です。これでは“英語嫌い”になるのが前倒しされるだけです。東南アジアの小学生は英語をペラペラ話します。よく聞くと、過去形や複数形になっていなかったりして、文法はムチャクチャです。しかし“yesterday”と言えば、過去のことだと分かる。“正しさ”なんて気にしないからどんどんコミュニケーションを取ろうとするのです。日本でもそんな“緩い期間”をもっと長くすべきです。5、6年で学科にして成績をつけるということは、何が正しくて、何が間違っているかを客観的に評価しなくてはなりません。生徒はそれでいやになるのです。文法を教えるのは高校受験前の中2からにして、中1ぐらいまでは、正誤は横に置いて、いっぱい話すことが評価されるということでいいのではないでしょうか」

 いっそのこと、中1までは、英文法が苦手な英語教師を教壇に立て、生徒にのびのびと話させてはどうか。