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<劉暁波氏死去>妻・劉霞さんの解放求める声、広がる

7/16(日) 19:19配信

毎日新聞

 【瀋陽(中国遼寧省)林哲平、北京・河津啓介】中国の民主活動家で13日に死去した劉暁波氏の妻、劉霞さんの処遇に、国際社会の関心が集まっている。中国当局は15日の葬儀に参列した霞さんの映像を公開したが、依然として外部と自由に接触できない状態だ。劉氏は死の直前、霞さんに「幸せに暮らしてほしい」と話し、その解放を望んでいたとされるだけに、中国政府に霞さんの出国を容認するよう求める声が日に日に高まっている。

 15日に瀋陽市当局が主催した記者会見に出席した劉氏の兄、暁光さんによると、霞さんは「体が極端に弱っている」状態で、会見に姿を見せなかった。

 市当局が公開した15日の葬儀の映像では、霞さんは劉氏の遺影を抱き、ひどくやつれた様子だった。別の動画では、霞さんが劉氏の埋葬について「火葬と散骨にし、簡素なものがよい」と話す姿や同じ内容を記した署名入りのメモも公開。速やかな火葬と海への散骨が「家族の希望」とする当局の主張を補強する内容になっており、多くの友人や支援者が「当局に無理強いされたものではないか」と疑問視している。

 霞さんは、劉氏が2010年にノーベル平和賞を受賞後、北京の自宅で軟禁生活を強いられてきた。外部との接触が厳しく制限され、服役中の劉氏との面会は月1回程度しか許されなかった。

 霞さんは詩人、画家、写真家として活動しており、「芸術家気質で繊細な人物」(関係者)。長い軟禁生活で重い抑うつ症を患っており、劉氏が自らの病が発覚する前に夫妻での出国に同意したのは、霞さんの病状が深刻だったからだ。

 既に欧米諸国を中心に霞さんの解放を求める声明が相次いで発表され、国際人権団体もインターネット上で署名活動を始めるなどしている。だが、支援者は16日になっても「家族や親しい友人でさえ、霞さんと連絡を取れない」と訴えた。

 中国外務省は霞さんの出国に「法律に基づいて処理される」とするにとどめている。霞さんの立場は、服役中だった劉氏と大きく異なるだけに、当局の今後の対応が注目される。

最終更新:7/16(日) 19:36
毎日新聞