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劉暁波氏遺骨海葬 党賛美並べる兄、質問答えず

7/16(日) 7:55配信

産経新聞

 ■当局の発言指示明白、追いかける記者阻む

 「非の打ちどころのない援助に感謝する」「社会主義制度の優越性の表れだ」

 劉暁波氏の親族でただ一人記者会見した兄、暁光氏は共産党と政府による弟への対応に賛美を繰り返した。質問は一切受け付けず、当局側がすべての発言内容を指示したことは明白だ。

 暁光氏が重点を置いて説明したのが海葬についてだった。暁光氏は遼寧省大連市に在住。自身のいとこが数年前に肝臓がんで死去した際に本人の希望により海葬を行い、自らの葬儀も海葬にしたいと語った。

 劉暁波氏の妻の劉霞さんが会見に出席しなかった理由については、「身体が弱っており点滴を打つ必要があった」と説明した。劉霞さんは海葬に反対し、墓への埋葬を望んでいたとされる。

 当局側は暁光氏の会見後、海葬は劉霞さんと暁光氏ら親族が話し合い、「現地の風習」に基づいて実施したと説明した。関係者の間では14日、当局が海葬の実施を親族らに強要しているとの情報が広がっていた。当局側はこの点を意識し、「家族の意向」だと印象付けようとしたようだ。

 暁光氏は会見で記者から「それがあなたの本心なのか」と問いかけられても、答えないまま会場を離れた。暁光氏を追いかけようとした記者は当局職員に阻まれた。当局側も記者からの質問を拒んだ。

 当局は、劉霞さんが黒い喪服を着て告別式や海葬に列席する映像や画像を記者に公開した。劉霞さんは火葬後、劉暁波氏の骨つぼを「しっかり胸に抱いていた」(当局発表)という。

 劉氏夫妻の支援者は「海葬は墓がないため当局にとって都合がいい。墓は多くの人が追悼に訪れ象徴的な場所になるからだ」と指摘した。(瀋陽 西見由章)

最終更新:7/16(日) 7:55
産経新聞