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銀行が貸し家建設資金を貸すのはバブルに懲りていないから?

7/16(日) 20:25配信

投信1

貸し家の建設が好調を持続しています。相続税対策として貸し家建設を勧める業者がいるようですが、銀行も熱心に貸し家建設資金を貸し出していると言われています。

一方で、日本は人口が減少していくことが確実視されていて、現在既に深刻化している「空き家問題」が今後も深刻化し続けることは誰が見ても明らかでしょう。現在建設中の貸し家も、多くは空き家になってしまう運命でしょう。それなのに、どうして貸し家の建設が増え、銀行が前向きに融資をしているのでしょうか? 

基本は地主の自業自得だが・・・

業者が地主に貸し家建設を持ちかける際に、家賃収入を保証するケースが多いようです。しかし、その多くは「現在の家賃を30年間保証する」ということではなく、「その時々に、周囲の家賃水準と比べて妥当な家賃の水準」を保証する、という契約になっているようです。

つまり、空き家が増えれば、その地域の家賃水準は下がりますから、家賃保証の契約があっても業者が地主に支払う金額は減っていくわけです。

まあ、地主が契約内容をよく理解せずにサインしてしまったのであれば、よほど業者が詐欺的な行為をしていない限りは自業自得でしょう。中には「自分が相続税の対象でないことを知らずに相続税対策だと思って契約した」という人も少なくないようですが(笑)。

現状は「バブル」

バブルというと、不動産や株の値上がりが続き、適正価格を大きく上回ることをイメージする人が多いでしょうが、現状の貸し家建設のように、将来は空き家が増加して貸し家の価格が下落していく確率が高い場合には、「価格が適正価格を上回る幅が拡大し続けている」という意味で、やはりバブルと言って良いと思います。

では、バブルが崩壊した時に何が起きるのでしょうか?  家賃収入が得られずに銀行からの借入が返済できない大家が続出するでしょう。

銀行としては、担保の貸し家を処分すれば良いと考えているかも知れませんが、空き家だらけの貸し家が融資残高に見合った値段で売れるはずはないでしょう。さらには、時間が経つとともに借金が返せずに競売される貸し家が増えていき、競売の落札価格が際限なく下がっていくかもしれません。

「相続税対策としての貸し家建設をするくらいだから、資産家なのだろう」と考えるのも、楽観的すぎるでしょう。人口減少社会では、地方を中心に不動産価格が下落していくでしょうから、地方の地主が資産家であり続けるとは限らないのです。

銀行は、過去のデータを重視します。客観的だからです。しかし、バブル期に過去のデータを重視することは大変危険です。平成バブルの時には「過去1年間、不動産業向け貸出は1件も回収不能がありませんでした。したがって、不動産業向け貸出は極めてリスクが低いと考えて良いでしょう」といった判断がなされた例もあったようですし(笑)。

今回も、現在の不動産価格を用いて担保価値を計算している銀行が多いものと思われ、大いに将来が懸念されるところです。

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最終更新:7/16(日) 20:25
投信1