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負傷者続出も首位争い、鷹はなぜ強い? 「育成」と「競争」を可能にするモノ

7/16(日) 7:10配信

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前半戦2位でターンしたソフトバンク

 53勝30敗。前半戦を、工藤監督就任3年目にして初めて2位で折り返すことになったソフトバンクではあるが、それでも、貯金を23個も作り出した。前半戦最後の直接対決で連敗し、楽天の後塵を拝しての前半戦ターンとなったものの、その強さ、選手層の厚さを存分に見せつけた前半戦だったとも言えるだろう。

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 とにかく、ケガ人が続出した前半戦だった。セットアッパーとして計算されていたロベルト・スアレスが右肘のトミー・ジョン手術を受けて今季絶望。即戦力として期待されたドラフト1位の田中正義は右肩の違和感を訴えて、開幕前にリハビリ組へ。シーズンに入ってからは、和田毅が左肘の張りを訴えて離脱し、遊離軟骨除去の手術を受けた。武田翔太が右肩の炎症、千賀滉大も左背部の張りで一時、チームを離れた。

 交流戦中にも、内川聖一の頚椎捻挫、アルフレド・デスパイネの右太もも裏の軽い肉離れ、高谷裕亮が右手第三指末節骨骨折と、ケガ人が相次いだ。前半戦終了直前の今月11日には五十嵐亮太投手が左太もも裏肉離れ。ローテの中心を担う和田、武田、千賀の3人、勝利の方程式の一角となるはずのスアレス、さらに4番、5番と、チームの中核を担う選手が相次いでチームを離れた。普通のチームであれば、一気に崩れ落ち、低迷してもおかしくない事態だった。

 それでも、踏み止まることができた、いや、それどころか、きっちりと首位を争いながら、白星を積み重ねてきたのだから、恐れ入る。ケガ人によってできた穴を、他の選手たちが見事なまでに埋めてみせた。

負傷者続出も首位争い演じられる要因は

 先発投手でいえば、東浜巨が完全に1人立ちし、大黒柱として奮闘。攝津正や中田賢一、寺原隼人といったベテラン組が不振の中で、石川柊太、松本裕樹という若い投手2人がローテに入った。石川は4勝、松本は2勝を挙げ、苦しい台所事情を救った。野手面も、デスパイネ、内川の2人を欠いた期間はそれほど長くなかったが、その間は川島や長谷川勇、明石、江川といった、普段は控えに甘んじる面々がスタメンに入った。

 これだけ負傷者が出て苦しい中で、首位を争えてきた要因は「競争」と「育成」の連鎖の賜物であると言えるだろう。

「競争」。これは、2015年に監督として就任した工藤公康氏が常々、口にしてきたことである。どれだけ期待されている若手であっても、力が劣っていながら、将来の育成のためにポジションが与えられる、といったことはない。あくまでも競争の上で、力でポジションを奪うしかない。今季定位置を掴んだ上林、甲斐も力で奪ったもの。ただでさえ、主力のレベルが軒並み高いソフトバンク。その主力を追い抜くためには、それ相応の努力が必要になる。

 となれば、選手たちは、練習するしかない。他球団よりも一際高い壁を越えるために、だ。そして、編成面においても、高い壁を次々に選手たちの前に置く。外国人では2015年にはバンデンハーク、2016年にはスアレス、そして今季はデスパイネ、ジェンセン、シーズン中にはモイネロ、コラス(ともに育成契約だが)の2人を補強。日本人でも昨季は和田毅、今季は川崎宗則をチームに加えた。

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最終更新:7/16(日) 9:45
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