ここから本文です

先住猫のお導き?! 同じキジトラ、甘えん坊のオス猫がやってきた

7/16(日) 10:10配信

sippo

「行くだけ行ってみようか……」 「見るだけ、見るだけね」

 2015年6月、ライターの大道絵里子さん(44)は、都内で開かれた保護猫の譲渡会に、夫とともに出かけた。キジトラの模様のメス猫「ドラミ」を3か月前に亡くしたばかり。「新たな猫を迎える」気持ちはまだ固まっていなかった。それでも何か、そわそわした気持ちだった。

【写真特集】甘えん坊のオス猫「銀」

 絵里子さんが当時を振り返っていう。

「先住猫のドラミさんは21歳まで生きました。私が上京した20歳の頃からずっと一緒に暮らし、2014年に結婚するまで、“女ひとり猫一匹”、まるで母娘のように寄り添ってきました。ドラミさんがいなくなった後、しばらく次の子を飼うのは控えた方がいいと思って。ところが、気持ちが動く出来事があって……」

 最愛の猫を見送った翌月、絵里子さんのもとにひとつの仕事が舞い込んだ。それは「アニマルコミュニケーター」の猫の本を作る話だった。

 アニマルコミュニケーターとは、動物の思いや、飼い主への要望などの“言い分”を動物に代わって「通訳する人」。絵里子さんはその存在を知っていたが、実際に会うまで半信半疑だった。本の構成を考え始めると、取材対象の猫が足りないことが分かり、急きょ、ドラミのことも本の章に加えることになった。

「写真をコミュニケーターに渡すと、亡くなった日のことを言われました。預けていた病院に迎えにいった時、ドラミは私が持っていったふわふわの“クリーム色”のブランケット(膝掛け)を見て『家に帰れるので嬉しい』と感じたというんです」

 コミュニケーターは、毛布の色を当てた。さらに「夜中に旦那様の帰りを待ってから旅立ったのね。彼を好きだったから」「早く次の子を迎えてと(ドラミが)薦めています」とも言ったという。

 それを聞いても、絵里子さんは、すぐに猫を迎えようとは思わなかった。

 だが、ドラミが絵里子さんの夫を慕っていたのは事実。その縁を改めて感じた。ドラミは自宅にどんな男性が来ても、「シャーッ」と激しく威嚇して近づかなかったが、その後の夫となる男性には、初めて会った時から、ゴロゴロと喉を鳴らして甘えた。そのため、夫も大の猫好きになっていったのだという。

「その日、帰宅した夫にコミュニケーターの話を伝えると、『本当か?』と驚いたんです。夫がよく行く飲食店のママが、保護猫活動をしていて、『譲渡会に来ない?』と、ついさっき自分も誘われたのだと……。偶然かもしれませんけど、運や縁がすいすい流れるようでした」

 こうして出かけた猫の譲渡会。夫婦は目が大きな一匹の猫に釘づけになった。生後2か月のオス猫で、“サバトラ(灰色と黒の縞模様)”が印象的だった。光が当たるとシルバーに見える毛色が美しく、夫婦は猫を譲り受ける決意をして、『銀』と名付けた。ところが1週間後、「銀」が家にやって来ると、その毛色が変わっていた。

「灰色と黒でなく、茶と黒のキジトラでした。急にそんなに色が変わるかしら……それが何よりも不思議でした。もしドラミさんと同じ毛色だとわかっていたら、思い出しそうで選ばなかった……ひょっとして、ドラミさんが魔法をかけたのかな、なんて想像したりして(笑)」

 子猫の可愛い仕草や表情に、絵里子さんは夢中になった。銀は、家に来た直後から隠れることもなく歩きまわり、くつろぎ、絵理子さんにベタベタと甘えた。

1/2ページ

最終更新:7/16(日) 10:41
sippo