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認知症予防「コグニサイズ」って? 体験してみた

7/16(日) 9:00配信

西日本新聞

 認知症の予防や、認知症の前段階の軽度認知障害(MCI)の改善に効果があるとされる「コグニサイズ」。開発した国立長寿医療研究センター(愛知県)が認定する促進協力施設は九州でも広がり、地域で取り組む機会が増えている。福岡市の高齢者グループと一緒に、コグニサイズを体験してみた。

⇒【画像】手軽にできるコグニサイズの例

 指導者の大平洋一さん(42)が犬の絵を掲げたら「ぬい」、ヒマワリなら「リワマヒ」…。逆さ言葉にするだけなのだが、椅子に座って足踏みしながらだと難しく、思わず足が止まってしまう人も。電卓の絵に1人が「くんたで」と大声で間違えると、「難しいよね」と笑い声がはじけた。

たまに間違うくらいの難易度の課題

 7月上旬の午後、福岡市西区の特別養護老人ホームの一角を借りて、地域の高齢者グループが開く運動教室に、コグニサイズ指導者の大平さんと杉谷太さん(44)が訪れた。この日は67~79歳の6人がコグニサイズに取り組んだ。

 約1時間半、和気あいあい笑いながらも、じんわり汗をかく。最年長の末広巳代子さん(79)は「足を動かしながら頭を使うことはあまりないので、頭がすっきりした気がする」。稲葉南海子さん(75)も「血流がよくなった感じ。認知症にはなりたくないから、できる努力はしたい」と満足そうだった。

 コグニサイズは「コグニション(認知)」と「エクササイズ(運動)」を合わせた造語で、国立長寿医療研究センターが認知症予防に役立つ運動として開発した。軽く息が弾む程度の運動と同時に、たまに間違うくらいの難易度の課題(計算、しりとりなど)に取り組む。

29カ所で延べ1045人を指導

 同センターは2015年11月に指導者研修を始め、現在、全国に147人、九州に18人の修了者がいる。指導者が所属し、高齢者の認知機能データ収集なども行う促進協力施設は現在、全国に17施設あり、九州では福岡県に3施設ある。

 その一つ、ケアマネジャーでもある杉谷さんが経営する会社「たぬき」(福岡市)は昨年5月、全国で3番目に認定された。福岡市の委託事業で健康づくり教室を開いたり、福祉科がある高校で教えたりと、活動を広げている。これまでに29カ所で延べ1045人を指導した。このうち、記憶力や注意力などを測る検査を半年以上の間隔を空けて2回受けた7人は、全員認知機能評価が向上していたという。

 杉谷さんによると、(1)できれば週1回程度、15人前後で(2)1回15分以上、複数の課題をこなす(3)簡単すぎず、難しすぎない課題を設定する‐のがポイント。杉谷さんは「自宅でも簡単にできるが、できれば1回でも指導者の下で体験してみてほしい。よく歩く、よく人と話すなど、生活習慣も改善させると、効果が高くなることを忘れないで」と話している。

西日本新聞社

最終更新:7/16(日) 9:00
西日本新聞