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マツダの優良サプライヤーを仏企業に引き合わせた黒子役

7/16(日) 11:13配信

ニュースイッチ

JBIC、融資先の中小と外資のビジネスマッチング拡大

 国際協力銀行(JBIC)の中堅・中小企業向け融資事業が新たな段階に入った。中堅・中小向けビジネスマッチングをJBICとして初めてセットするなど、強みの国際ネットワークを生かしたビジネスマッチングを通して融資先の事業拡大を支える方針だ。地域経済を左右する中堅・中小の成長を後押しして地方創生につなげる狙いもある。

 政府系金融機関の再編に伴って日本政策金融公庫から分離・独立したJBICは、2012年から中堅・中小融資を本格化した。以前はインフラや資源開発など大型案件が多かったが、中小向け融資を拡大、最近は年間融資が目標とする100件超を続けている。

 だが「すべてが優良な融資先ではない。長期安定の経営をしてもらうには融資先に事業構成を広げてもらう必要がある」と中堅・中小企業ユニット(西日本)の田丸伸介ユニット長は話す。こうした問題意識から乗り出したのが6月に行ったビジネスマッチングだ。

 「“ベンダ法”は省資源で高効率な製法です」。自動車部品のリングギアを作るベンダ工業(広島県呉市)の進宏子取締役は、自社独自の生産技術を流ちょうな英語でアピールした。

 場所は在日仏大使館。ヴァレオ、フォルシア、ダッソーなど仏を本拠地とする自動車・航空機関連企業の担当者を前に、進氏は「欧州のビジネスがまだ小さい。拡大したい」とも話した。

 日本に進出する仏系企業が3カ月ごとに大使館で開く“内輪”のビジネス会合に、日本企業が顔を出すのは今回が初めて。キーレックス(広島県海田町)、内山工業(岡山市中区)も参加した。いずれもマツダなどに部品を納める地元の優良中堅・中小だ。狙いは販路拡大にある。

 田丸氏は「地方の中堅・中小が外資系サプライチェーンに参入するのはきわめて困難」と話す。中堅・中小と外資をつなごうと、各国の関係者と接触しつつ親密融資先に打診してこぎ着けたのが、今回の日仏ビジネスマッチングだった。

 参加したヴァレオ日本法人のオードバディ・アリ社長は「日本には技術や品質にたけた中小がいるが知られていない。そんな企業と知り合えてよかった。またやりたい」と今後の展開を期待する。

 JBICは来年度も別のマッチングを計画する。南都銀行と連携し奈良県の伝統素材の加工業者と仏同業者を引き合わせる計画だ。

 田丸氏は「地方の中堅・中小が海外市場にアクセスできることで地方創生にもつなげてほしい」とも話す。海外を舞台にしてきたJBICが地方経済に目を向け始めたことからも新たな段階にあるといえる。

日刊工業新聞経済部・池田勝敏

最終更新:7/16(日) 11:13
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