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「デフリンピック」で狙うは金&世界新 陸上400継・設楽選手 茨城

7/17(月) 7:55配信

産経新聞

 トルコで今月開催される聴覚障害者の国際スポーツ大会「夏季デフリンピック競技大会」に、陸上400メートルリレーの日本代表として、筑波技術大大学院1年の設楽明寿選手(23)が出場する。目標は「金メダル」と「世界新記録」。17日に日本を出発し、29日の競技に臨む予定だ。(篠崎理)

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 「デフリンピック」は4年に1度開かれる聴覚障害者の五輪。18日から30日までトルコで開かれ、日本からは陸上やサッカーなど11競技に108人が出場する。

 設楽選手は群馬県生まれ。生まれつき耳がほとんど聞こえず、「太鼓を大きな音で打つなどすれば、わずかに聞こえる」(設楽選手)程度。「普通の環境に早く慣れたい」と、小学3年生から高校卒業まで一般の学校に通った。

 中学から本格的に陸上を始めたが、高校は強豪校で、出場機会はほとんどなかった。聴覚障害者の陸上に出合ったのは筑波技術大に入学してからだ。耳が不自由なため、スタートは光で判断するが、まばたきなどで微妙に遅れてしまうことがある。現在は大学院で振動を利用したスタートシステムの構築を研究している。

 国際大会に出場するのは2回目だが、前回は補欠だったため、実際に走ることはなかった。今回は自分自身の記録である100メートル11秒15の更新を目指し、週4、5回程度、約3時間の練習をこなしている。リレーのメンバーは他大生や社会人らさまざま。ほとんど一緒に練習できない悩みもある。

 設楽選手は「耳が聞こえる人も、聞こえない人もコミュニケーションをうまく取れず、孤独な思いをしている人たちが多い。そんな人たちのモデルになりたい」と話す。

 筑波技術大は日本唯一の視覚障害者と聴覚障害者のための国立大学。今回のデフリンピックに選手として出場する現役生は設楽選手だけだが、次回大会を日本で開く計画もある。

 筑波技術大の中島幸則准教授は「日本で大会が開かれれば、デフリンピックも注目され、筑波技術大が中核となるはずだ。設楽選手も次回は個人競技でメダルを目指し、認知度を高めてほしい」と期待している。

 出発前の11日、筑波技術大で記者会見に臨んだ設楽選手は「プレッシャーに負けず、自分らしく走りたい。今回のチームは、力があるメンバーも多いので金メダルや世界新記録を目指したい」と力強く語った。

最終更新:7/17(月) 7:55
産経新聞