ここから本文です

九州豪雨 被災地支援、企業手厚く 食品・クーラー…復興融資も

7/17(月) 7:55配信

産経新聞

 九州北部を襲った豪雨では、地元を中心とした企業も、温かい食べ物や、身の回り品、冷房器具などを用意し、被災地に届けた。最近の大規模災害は、九州・山口に住む人々を何度も痛めつけた。それでも、災害を経験する中で、企業の支援態勢はより素早く、力強くなっている。(九州総局 中村雅和)

                   ◇

 「避難所の暑さ対策が必要じゃないのか?」

 九州電力本社に設置された対策本部で、瓜生道明社長が、指示を出した。

 今回の豪雨は、福岡県朝倉市や東峰村、大分県日田市を中心に大きな被害を出した。

 盆地の日田市は、九州で「一番暑い街」とされる。一方、避難所となった公民館や体育館などには、クーラーの整備が進んでいない施設もある。

 被災地に実家があるという瓜生氏の脳裏に、酷暑に苦しむ被災者の姿が浮かんだのは間違いないだろう。

 九電やグループ会社の西日本プラント工業などは、工事現場で使うスポットクーラーを確保した。行政と調整の上で10、11の両日、朝倉市を中心に、避難所となった公民館や社務所、小学校に計16台を設置した。

 内閣府も、暑さ対策として避難者数や広さに応じたエアコンを設置するよう、通知を出していた。通知によると、設置が難しい場合は、近くにエアコン付きの仮設休憩所を設置するよう求めた。

 九電はクーラーの設置と並行し、やはり瓜生氏の発案で、IH(電磁)調理器の据え置き型コンロを被災地に持ち込んだ。10日には東峰村で、このコンロも使って豚汁やおにぎり250食を調理し、提供した。

                 × × ×

 こうした支援には、他社も積極的に取り組む。

 西部ガスグループのマルタイは、カップ麺計2千食余りを被災地に送り届けた。

 福岡銀行は災害発生から最初の週末となった8、9日、朝倉支店など被害の大きかった一帯の店舗6店を、臨時で営業し、顧客対応にあたった。15日から17日にかけての3連休も、同銀行や、西日本シティ銀行、大分銀行などは、同様に被災地の支店を営業する。預金の払い出しや、印鑑の紛失といった被害の相談を受け付ける。

 大分銀行は総額30億円の「災害復興応援ファンド」を設定した。設備投資や運転資金として3500万円を上限に、融資する。個人向けの復旧支援ローンとともに、14日から取り扱いを始めた。昨年の熊本地震の際と同様に、スピード感ある対応で、被災者の生活再建を後押しする。

                × × ×

 支援の輪は県外にも広がる。

 熊本地震で被災した「生活協同組合くまもと」(熊本県水俣市)は、エフコープ生活協同組合(福岡県篠栗町)と共同で、東北の郷土料理「はっと汁」約200食を朝倉市の避難所で振る舞った。東日本大震災で被災したみやぎ生活協同組合(仙台市)からの「恩返しをしたい」との持ち掛けがきっかけだった。

 コンビニチェーンの動きも早かった。

 ローソンは被災翌日の6日、朝倉市にペットボトル入りの水約3千本を届けた。9日にはおにぎりと菓子パン約1500個ずつを追加提供した。

 ファミリーマートも6日、朝倉市に水3千本を配送した。担当者は「コンビニは社会のインフラだ。今回も県からの要請ですぐに送った」と話す。

 コンビニは複数の県などと災害協定を結び、非常時に商品を融通する態勢を取っているケースが多い。熊本地震でも、生活物資を被災者に届けるインフラとして機能した。

 このほか、ウチヤマホールディングス(北九州市)は、要介護認定の65歳以上の被災者を自社の介護施設で受け入れ始めた。約200室を用意し、通常月12万~18万円かかる入居費用が無料になる。被災地近くのホテルや旅館も、要介護の高齢者や妊娠中の女性らに宿を無償提供するなど支援内容も多様化している。

最終更新:7/17(月) 7:55
産経新聞