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中国に対北石油制限要求 制裁「本丸」 政府、4月以降複数回

7/17(月) 7:55配信

産経新聞

 政府が4月以降、中国政府に対し複数回にわたり北朝鮮に対する原油やガソリンなど石油製品の輸出規制を求めていたことが16日、分かった。複数の日中外交筋が明らかにした。中国外交幹部3人がそれぞれ来日した際、北朝鮮に対する圧力強化の一環として石油輸出制限に言及した。中国側から明確な回答はなかったという。

 日本政府が石油・石油製品の輸出規制を求めたのは、中国外交担当トップの楊潔●(よう・けつち)国務委員、次期駐日大使に有力視される孔鉉佑(こう・げんゆう)外務次官補、6カ国協議首席代表を務める武大偉朝鮮半島問題特別代表の外交幹部3人。孔、武両氏は4月、楊氏は5月に来日した。この際に会談した谷内正太郎国家安全保障局長、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長らが石油輸出制限を促した。

 安倍晋三首相も今月8日にドイツで習近平国家主席と会談し、「今は北朝鮮への圧力を強化することが重要で、中国の役割は極めて重い」と述べ、中国に行動を促した。これに対して、習氏は「制裁は重要だが、対話も重視している。独自制裁には反対だ」と伝えた。

 日本政府が石油・石油製品の輸出制限を求めたのは、北朝鮮が輸入の9割を中国に依存しているからだ。外務省幹部は「そのツボを押せば、息が止まるぐらいのインパクトがある」と指摘する。

 中国はすでに北朝鮮の主要な外貨獲得源である石炭の禁輸措置を発動しているが、石油の輸出制限を制裁の「本丸」と位置づけてきた。

 ただ、日本政府は、中国政府が石油の輸出規制に踏み切ったとは判断していない。中国税関総署が6月に公表した統計によると、北朝鮮向け輸出は1~5月累計で13億2399万ドル(約1470億円)で、前年同期比で32・0%増えた。中国政府は独自制裁に反対の立場を崩していない。

 このため、米国のヘイリー国連大使は今月5日、国連安全保障理事会の新たな制裁決議案として、軍事などに用いられる石油供給の制限を検討していることを明かしている。国連安保理の非常任理事国を務める日本政府も歩調を合わせており、北朝鮮との対話を重視する中露両国に対し、引き続き圧力強化を求める方針だ。

●=簾の广を厂に、兼を虎に

最終更新:7/17(月) 7:55
産経新聞