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中国の対外投資に陰り 上半期9%増も米向け半減

7/17(月) 7:55配信

産経新聞

 【ワシントン=小雲規生】中国の対外投資の勢いに陰りが出ている。米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)によると、2017年上半期の中国の対外投資は前年同期比約9%増。しかし1件の大型買収を除けば4割近い減少となっており、米国向けの投資では半減という結果となった。背景には資本流出を嫌う中国政府の思惑があるとみられ、今後の動向は中国政府の判断に左右されそうだ。

 報告書によると、中国の国有企業や民間企業による17年上半期の対外投資額は971億ドル(約11兆円)で、上半期として過去最高だった。しかし国有企業、中国化工集団による農薬大手シンジェンタの大型買収(約410億ドル)を除けば、総額は560億ドルにとどまる。

 中国の投資額を国別でみると、1位はシンジェンタがあるスイスの437億ドル。米国は約170億ドル超の2位だったが、前年からは半減した。次いでオーストラリア、ドイツへの投資が多かった。

 中国では15年8月の人民元切り下げを機に資本流出が加速。今年1月末には外貨準備高が2年半前のピークから約1兆ドル減少した。こうした流れを食い止めるため、中国政府は資本取引規制を強化。ニューヨークの高級ホテルを買収するなどして注目を集めた安邦保険集団の呉小暉会長は6月、中国政府に拘束されているとも報じられた。また中国企業の買収攻勢には技術移転の狙いがあるとされ、各国の警戒感も高まっている。

 AEIのデレク・シザーズ氏は中国政府による資本流出抑制の動きを踏まえ、「17年下半期も中国の民間企業の動きは抑制されたままだろう」と予測。中国政府が民間企業の海外投資を促さない限りは、買収の勢いは「後退する」と分析している。

最終更新:7/17(月) 8:15
産経新聞