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【連載】vistlip 海の「裏側の観え方。」#1 視覚と聴覚

7/17(月) 12:06配信

BARKS

この度BARKSにて連載を始めさせて頂きますvistlipというバンドのギターの海と申します。ギターのほかにもコーラス、あとはジャケットやらのデザイン全般、衣装やらもやってます。ちなみに上のバナーは自画像です。目付きの悪い眼鏡です。常に眼鏡なのでそう認識して頂ければ幸いです。

この連載では、表に出ている部分の裏側とでも言うか見えにくい部分というかそういう話を一ヶ月単位で振り返って出来たらなあと思っています。バンドからみなさんに向けて発表ごとがあったとき、それまでにある紆余曲折や物事の進み方、裏ではこんな事やってる、こんな風に考えてるんだよって物をお見せ出来ればなと思います。

まあ果たしてそれが記事にして面白く出来るのかはちょっとまだ自分としても未知数です。ので反響次第ではいつの間にかタイトル共々内容が変わってるかもしれません。とりあえず相当マニアックな内容にはなると思います。

  ◆  ◆  ◆

何はともあれ今月でvistlipは結成10周年を迎えまして、その10周年の記念ライブがZepp TokyoKYOで7月7日(金)に行われました。何よりまずは来場して下さった方々、ありがとうございました。そして気付いたら3時間越えるライブお疲れ様でした。ライブってやるのより観てる方が圧倒的に疲れると思うんだよね俺は。Zeppは椅子もねーし。まあそんな一日に至るまでの全てを記事にしてるときりがないので、今回は前日までに仕込みや作成して頂いている照明と映像について書こうかなと。

ライブやるってなるとセットリストをまず決めて、そこから流れを組んで曲間の長さとかMCを決めて照明、演出、映像の有無等を決めて一度リハーサルしてみて修正…という繰り返しなんですね。スムーズに決まる時もあるけどなんだか違う…となって何往復もする事も。

うちの映像の作り方って何パターンかあって
(1)イメージ、タイミング色々伝えてフルCGでお願いする
これが一番多いパターンです。今回で言うとSE、「STRAWBERRY BUTTERFLY」「 Iam…?」「墜落」「?FIVE BARKIN ANIMALS」「 WIMP」「 EDY」「 LION HEART SIREN」。イメージ通りいかなかったりうまく伝えれないとやり直しの往復が一番凄い事に…一番ひどかった時は当日の昼前まで手直し繰り返してました。初回の打ち合わせでいかにイメージが伝えれるかが大事。

(2)イメージ、タイミング色々伝えて一部の素材を僕が作製
今回は「B」だけかな?「B」は雲の流れる空を作って貰って、赤い月とその周りの光とかは自作。毎回このパターンは1~2個づつ増えてます。これもイメージ通りいかないと大変。これも初回の打ち合わせが一番重要。あとは如何に早く素材の制作を終えて渡せるか。

(3)フルで使うものを僕が用意して動画にしてもらうのだけお願いする
「HEART ch.」これは作ったのはかなり前だけど200枚以上の絵を描いてそれを繋げて貰ってます。パラパラ漫画を作る感覚ですね。これは地獄を見ました。背景作って貰ってその上を動く絵を描くパターン、「WalkingDead」とか「瞳孔」とかのパターンもあるんだけどどっちにしても描く枚数が恐ろしい。フィルムアニメみたいなもんだし。

(4)フルで動画も僕が作ってスピードとタイミングだけ指定
今回はありませんでした。前回ツアーの<BitterSweetEnding>で初の試み。下書き無しでデジタルで一枚の絵を色付け含め完成させて、その画面をずっとスクリーンショット?録画?してそれを曲の展開に合わせてスピード調整して貰いました。これは描く時が割と大変。書く順番も先に考えて描かないと動かして理想通りにはならないので完成形が良くても手順が気に入らなければ描き直し。手順が良くても完成形のイメージが違ったら描き直し。裏を返せば描くのさえ成功したらそっからは割と簡単にクリアできました。
「BABEL」はストレートに一発で描けたんじゃなかったっけな。

(5)ミュージックビデオの再編集やミュージックビデオを使った映像
「SINDRA」「Hameln」「JulyIIth」はミュージックビデオそのまま、「JulyIIth」はライブの演奏に合わせて会場限定で販売した物よりも映像の終わり方を短くしてあり、「SINDRA」は完全に再編集。SEからの無音の時計の部分もミュージックビデオの素材からの新規作成。これも初回の打ち合わせが大事なんだけど、編集する時は何秒から何秒を切りとってここに繋いで、とかって細かい指示が出来るので一番楽だし間違いがない。

ライブの映像にそこまでメンバー自身が力入れる所ってあんまり多く無い、ともたまに言われるんですけど我々vistlipのバンド名の由来は“vistaとlipで視覚と聴覚”なので。そこは譲れないなあと思ってます。

正直どう見えてるのか、どう受け取られてるのかは100%わかるわけじゃ無いので結局自己満足なんですけどね。スタッフ側からも凝った映像にし過ぎるとそっちにばっか目が奪われるから…って懸念した意見も出たりするしそれも理解できる。でもまあバンドって根本は自己満足が原動力だったりすると思うからね。でもまあライブでの映像はしっかり見てもらいたいなーと思う反面目の前にいる俺らを見ろよという矛盾した感情がせめぎ合ったりしてます。

例えば「Iam…」は配布のCDでライブでは殆どやってない曲だったから歌詞知らないって人もいるだろうしな…ってので歌詞を出しつつ、背景に使ってた空や雲や緑の絵の動くイメージは当時のデモの段階から頭にあったので今回作ったんだけど滅多にやらない曲だからあくまで映像はメンバーの背景として見てもらいたい、けど歌詞って出ると追っちゃうよね、しかも知らなかったら尚更ね。
うーん、という事でどんだけサラッとした映像に出来るか?っていうのが今回のテーマだったりしました。背景として馴染んだものに出来たのかなー。実際にライブを観てくれた方、どうでしたかね。

あとは「STRAWBERRY BUTTERFLY」から「B」に繋がるとこも通してあまり動きをつけず(花びらは結構途中からガンガン動かしてるけど)あくまで背景として曲の世界観を広げる為の映像になる様に心がけたつもり。

映像がある曲と無い曲の振り分けはライブの制作チーフと照明のスタッフと相談。うちの照明、昔はこっちで細かくオーダーしてそっから考えてもらってたんだけど今のスタッフに変わってからはまず一旦考えるのを任せる事にしてます。この曲のここの照明はこう魅せたいと思ってる、とかこの曲はこの色を中心に攻めたい、とか結構色んな意見をくれる方で何よりセンスが素晴らしい。で、映像流してるのがプロジェクターとかLEDとかだと発光してるわけで、照明と潰し合いをしちゃったりもするんです。

これは映像があった上で照明スタッフ考案の照明リンク。鎖の動きに合わせた様に照明を動かして映像と照明をリンクさせたもの。こういうのを何も言わずにぶち込んで来てくれるのでもうなんというか僕としてはたまらないわけです。

皆がライブを観る時にどこをどう見て感じてるのかわからないんだけど、僕が個人的にライブ観に行く時は照明の効果とか影響ってかなり感じます。そしてステージに立ってると本当に影響を受けます。イメージと違う色とかタイミングの照明って本当に一気に冷静になる。というか冷める。やってても観てても何も気にせずに曲に入り込めてたり演奏して身体が動く時は曲に合った空気に合った照明になってるんじゃないかなーと思います。

当然フロアやステージ、演奏や音が良い状態っていうのは大前提でね。なので映像のスタッフも照明のスタッフも共に“この人しかいない”って思える様な方に巡り会えた我々は幸せだなーと思ってます。メンバーの意思を汲んでくれる、というか同じ物が見えて感覚が合う。出した意見を100%以上で形にしてくれるなといつも思ってます。

なんだか7日の裏側についても書こうと思ってたんだけど演出面の裏側やら仕組みになってしまった。これはむしろ6日迄の裏側ですね。うーん。でも長くなっちゃったからこんくらいにしとこうかなとりあえず。7日については今月もう一度アップしようかな…と思ってるけどする!とは断言出来ません…。

最後になんか今にも変身でもするのか必殺技でも出すのかって瞬間の写真があったので載せます。これどの曲のどの瞬間だよ。

それでは。

最終更新:7/17(月) 12:06
BARKS