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<北朝鮮内部>軍の食料事情また悪化 女性兵士も栄養失調に 親は差し入れに奔走(写真3枚)

7/17(月) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

6月末から朝鮮人民軍の食事について調べたところ、栄養失調者が続出していて心配する兵士の親が、部隊に面会に行ったり送金したりする事例が増えていることが分かった。北朝鮮内部の複数の取材協力者が伝えた。国家の財政難を親たちが肩代わりさせられているのが実情のようだ。(カン・ジウォン)

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6月後半から7月にかけて、アジアプレスでは朝鮮人民軍の食事事情についてあらためて調査をした。北部地域に住む取材協力者は、軍部隊の劣悪な食事は改善されていないとして、次のように伝えてきた。

「最近は軍隊に行っている息子・娘が栄養失調になって家に帰されるケースがとても多い。近隣の国境警備隊の兵士たちも弱っている。以前は中国との密輸に目をつぶることで賄賂をもらっていたのに、最近は統制が厳しくなって密輸が打撃を受け兵士たちの暮らしも厳しい。周辺の民家から食糧を借りて食べている部隊もあり、その返済ができず騒動になることもある」

軍部隊の給食が酷い状態だと知れると、入隊している息子や娘の栄養状態を心配して、部隊まで面会に行く親が増えているという。前出の取材協力者は
「余裕のある家庭なら月に一度、余裕がなくても3か月に一度は部隊に面会に行こうとする。部隊の将校の自宅や近くの民家に米や『速度戦粉』を預ける。兵士たちは腹が減ったら部隊から外出した折にその家に寄って親からの差し入れを食べるのだ」
と述べた。
※速度戦粉 トウモロコシ粉を加熱したもので、水で練ると1、2分で餅のようになる。一種のインスタント食品。

また面会に行けない親は部隊に送金するという。取材協力者が続ける。
「兵隊に取られたら子供がガリガリに痩せるのを親は知っている。だから1ウォンでも節約して送金しようとする。中国の金を100元でも送れば、毎日豆腐の一丁や『速度戦粉』でも買って食べることができるから。金や食べ物を差し入れるために面会に行ける親は全体の10%、面会には行けず送金だけをしている親は50%ぐらいになると思う。子供が栄養失調にならないよう親が必死になるのは当たり前のことです」

金正恩政権はミサイル実験を繰り返しているが、一般兵士の劣悪な待遇は放置されている。
財政難で兵士の食糧を確保できない国に代わって、親が軍服務中の息子・娘を養わされているというわけだ。

※アジアプレスは、中国の携帯電話を北朝鮮国内に送って連絡を取り合っている。

←痩せて軍服がぶかぶかになった若い兵士。栄養失調になり病院に送られる途中で休んでいるところを撮った。2011年7月平安北道にて撮影キム・ドンチョル撮影(アジアプレス)