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福島第一原発3号機、19日に水中ロボ「ミニマンボウ」投入

7/17(月) 11:23配信

日刊工業新聞電子版

■格納容器内が水没 3号機の勝算

 東京電力は19日に福島第一原子力発電所3号機へ調査ロボットを投入する。3号機の格納容器内にロボットが入るのは初めて。圧力容器の損傷具合や溶け落ちた燃料棒(燃料デブリ)の様子を撮影する。事故から6年を経過したが、高い放射線量に阻まれてデブリは目視できていない。3号機調査は、近々デブリの取り出し方針を固める前の最後の本格的な調査になる。

 「圧力容器下の地下階にロボットを降ろしていく」―。東電福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏プレジデントは3号機調査の目標をこう説明する。1号機と2号機の調査では圧力容器の下のデブリを確認できていない。2号機で圧力容器を支える円筒状の構造物(ペデスタル)の内部を覗くことはできたが、ロボットは堆積物などに阻まれ、ペデスタルの中に入ることも地下階に降りることもできなかった。

 3号機の勝算は格納容器内が高さ6メートルまで水没している点だ。水中をロボットが潜航するため、障害物があっても3次元的に避けて進める。ルート上の堆積物がクローラーにかみ込んで動けなくなるリスクはない。

 この調査のため、東芝と技術研究組合「国際廃炉研究開発機構」(IRID)は「ミニマンボウ型ロボット」を開発した。後方に前後進用のスクリューを4枚、胴体に昇降用のスクリューを1枚搭載し、1秒間に約5センチメートルの速度で操縦用ケーブルを引っ張りながら進む。

■地下階調査、“出たとこ勝負”も

 計画では19日にペデスタルの開口部に近づき内部を撮影する。20日はその画像を解析してルートを探す。21日にペデスタル内部に進入し、地下階に広がったデブリの撮影を目指す方針だ。地下階の開口部からデブリがペデスタルの外に広がって格納容器の壁を侵食していないのを確認できれば、簡易な取り出し工法を選べる。

 調査の難関は地下階への進入だ。東芝の安田年廣担当部長は、「地下階調査はケーブルを引っかけに行くようなもの」と懸念する。ケーブル自体は重さを水の比重とそろえて、ロボットが進んだ軌道にケーブルが延びるよう工夫した。

 それでもデブリに溶かされたグレーチング(格子状床)の隙間をぬって地下階に降りるのは困難を極める。ケーブルが構造物にひっかかれば動けなくなる。

 訓練は重ねているが、地下階へのルートがあるかどうかは、ペデスタル内部を見てみないとわからない。取り出し方針を決める前の最後のチャンスだが、“出たとこ勝負”にならざるを得ない。東芝の竹内努部長は「たどり着けさえすれば撮影できる。撮れさえすれば画像処理でできる限り情報を集める」と決意する。ロボットの一挙一動が注目される。